出版社内容情報
お父さんに「木になって」とおねだりした、すーくん。さっそく、お父さんの“木”で木登りに挑戦です。でも、木登りがうまくいかない、すーくんは……。瑞々しい水彩画で、父子の交流を描いた心あたたまる作品です。
内容説明
「ねえおとうさんきになって」すーくんは、おとうさんにおねだり。おとうさんの木に登ろうとするすーくん。うまくいかなくて、おとうさんに話しかけますが、きはなんにもいわないのです…。片山健が描く、父子のふれあい絵本。
著者等紹介
片山健[カタヤマケン]
1940年東京生まれ。『タンゲくん』(福音館書店)で講談社出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つくよみ
52
図書館本:お父さんと近所の公園に遊びに来たすーくん。お父さんに「木になって」と頼むと、お父さんはそのまま木になって・・・?その木に登ろうとして、登り方を聞こうとしても(「きは なんにも いわないの。」)と、声に出さないお父さん。なんとか登った後、色々と話しかけても、ことごとくその調子。すーくんが木から降りて、元に戻ったお父さん。何故黙っていたかを聞いても「きは なんにも いわないの。」すーくんに、見たまま感じたままを、自分自身の感性で考えさせたかったのかな?シュールながらも、考えさせられる作品だった。2013/11/03
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
42
これまた不思議な味わいの絵本。散歩中の父と息子。息子にせがまれて木になる父。その木をよじ登る息子。木の周辺で起こる諸々の他愛のない出来事。何があってもお父さんは「木は 何にも言わないの」と静かなものだ。さながら座禅中である。ちょっぴり考えさせられる。何にも言わずに見守る難しさの絵本だろうか?。それとも無言でも静かに湛えている男親の愛情の絵本だろうか?。木になると気にならないという駄洒落だろうか?(これはないか)。犬が根元に小便をした後に、女の子が座っているのが唯一気になる。悪くない読後感である。2015/09/09
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
木になったお父さん(と言っても、木になりきってるお父さんだが)とすーくんのやり取り。お父さんの見守りと、すーくんの感じたものが温かい。2018/10/29
あるちゃ
8
子供はいずれ親のいうことなんて聞かなくなるし、子供は親のいうことよりも親の背中をよく見ているもの。 大事なことを教えることも必要だけど、きのようになんにもいわないのもとっても大事なんですよね。 何にも言わなくても親は見守ってるよ、そう伝えられる親になりたかったなあ。(たぶんなれてないと思う)2014/10/13
黒豆
8
「てれび絵本」にて。 何を聞いても答えない*木〈おとうさん〉*…すーくんは、自分の力でなんとかしていく。 アレコレ手取り足取り教えるのとは違った教え方…*木*の『ただそこに立っている』感じがいい。 ‘なんにもいわない’だけで…こちらにいろんな事を考えるチャンスをくれる。2013/11/14