内容説明
何も見えない、何も聞こえない、真っ暗闇。ここは、どこ?ぼくはどうして、こんなところにいるの?だけど、ようすをさぐろうにも、ぼくには手がなかった。頭も、足もなかった。からだがなかった。声も出なかった。こわい。どうして、こんなことになったの?ぼくは、だれなの?どこに住んでいたの?たすけて。たすけて。たすけてたす…。
著者等紹介
沢村凛[サワムラリン]
1963年広島県に生まれる。1998年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
灰音
8
児童書とは思えないぐらいよかった😍 真っ暗で何も見えない聞こえない感じない 体の感触もないぼくは 鳥なのか犬なのか人なのか何者なのか… 人の世界での誘拐事件の謎を解きながら自分を探すぼくの正体とは…2025/06/26
michi
2
なかなか良質のジュブナイルミステリー。3冊沢村さんの児童向け本を読んだけれど、1番好き。「虚無」からの脱出、自分は何者なのか、という部分は小学生でなくてもドキドキさせられる。イラストがものすごく学研。沢村さんの児童書は視点を変えたモノの見方を教えてくれる気がする。2009/07/12
玲
1
小中学生のためのSFミステリ。謎が謎のまま物語が進展する様は、子どもがミステリってものをどうやって読むかの良い練習になるかもしれない。伏線がラストで繋がり、フェイクも用意されている。心と体の繋がりや、「我思う故に我あり」を考えるきっかけにもなりそう。2010/01/14
sumie
0
大人が読んでもいい本だった。子供たちにも安心してお勧めしたい。2012/07/24
ぽんまま
0
暗闇の中のぼく。から始まる。くらやみの中のぼくは一体何者なのか?がわからない。黒くて白抜き文字の暗いページ。そしてぼくが何かになる。鳥だったり犬だったり・・そのページは白くて明るい。だんだんぼくが何者であるのかがわかっていくところがドキドキする。それがだんだん事件と絡んでいくのが面白い。推理ありファンタジーありって感じの不思議なお話。ラストがよくて読後感がいいのが嬉しい。2010/10/30