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安三郎さん夫婦はある日、紀州犬の子犬を拾う。この子犬は、ナチと名づけられ、やさしい犬に育つ。しかし、村の畑を荒らす猪への怒りから村一番の猟犬になる。猪狩りで大けがをした安三郎さんをナチは命がけで救った。しかし、貧しさから、別れの日がやってきて…。小学中級から。第一回学研「読み特賞」大賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
半木 糺
3
息子を戦争で亡くした老夫婦と、猟犬ナチとの交流、別れを描いた作品。本書にある人と犬との情愛は、現代のペットに対するそれではなく、狩と生活を共にする「猟犬」との関係性があってのものであろう。その「猟犬」にたいするまなざしが、亡くした息子に対するそれに変わっていくさまが美しく記されている。そして美しいからこそ、最期の別れが一層胸に迫る悲痛さを読者に訴えかけてくる。2018/06/10
kira
0
小学生の頃、親に買ってもらった児童書。あの頃は犬のナチの気持ちもおじいさん、おばあさんの気持ちもよくわからなかったけれど、飼っていた犬と別れたり、新しい犬を我が子のように思い育てていることから、共感することが多かった。犬ってね、ホント、親のこと大好きなんだよ。2016/06/16
matumoty
0
忠犬もの。安三郎さん、ちょいちょい残酷だと思う。最後、ナチを大事で愛おしく思う気持ちがあるのだから、もっと抱きしめてあげてほしかったな。2020/10/28