出版社内容情報
「わたしはこの世界から、虐めを一つ残らずなくしたいと思っているんだ」
どこか湿り気のある秋の匂いが漂うある日、私の最愛の友人である睡蓮は、そんな理想を語った。
私は彼女の力になりたいと思い、“何か助けになれないか”と願い出る――
けれど……睡蓮は、自殺してしまった。
壊れゆく日々と、
終わりゆく私たち。
そうして私は、隠されていた“真相”へと辿り着く――
第9回カクヨムWeb小説コンテスト「映画・映像化賞佳作」作品。
【目次】
内容説明
「わたしはこの世界から、虐めを一つ残らずなくしたいと思っているんだ」そう理想を語った最愛の友人・睡蓮は自殺した…。それは彼女の理想を実現するために―。第９回カクヨムＷｅｂ小説コンテスト「映画・映像化賞佳作」長編ホラー小説。
著者等紹介
汐海有真［シオカイユマ］
『睡蓮、願わくは永遠に』で小説家としてデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
D
53
静謐でありながら、どこか濁流のような情念が潜む――そんな文体に包まれた本作は、ただのホラーではない。二人の関係性が織りなす質感は、まるで水面に浮かぶ睡蓮のように、儚くも確かにそこに在る。ページをめくるたび、読者は湿り気を帯びた世界に沈んでいく。そこには恐怖だけでなく、美しさと優しさが共存しており、まるで純文学のような深みとコクが文章に宿っている。その文章には、読者が抱いていた永遠の概念そのものを揺さぶり、問い直させる力がある。2025/10/20
立藤夕貴
1
琴子が眠りの間に睡蓮と邂逅する場面は装丁のイラストまさにそのもの。想像しながら読むのが心地よかったです。ホラーということでしたが恐怖はあまり感じず、ただ静謐で美しく、けれど二人の情念に満ちているお話だなと感じました。2025/11/08
