異刻メモワール 〈巻ノ三〉

るん太

ＫＡＤＯＫＡＷＡ（2024/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 226p／高さ 19cm
• 商品コード 9784049160154
• NDC分類 726.1
• Cコード C0979

出版社内容情報

異世界に迷い込んだ少年・トモ。
天真爛漫なリツと共に、旅を通してたくさんの出会いを経験する。
トモの心にも少しずつ変化が出てきて――。

現世で居場所をなくした少年の、異世界日常ファンタジー最終巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[祐樹一依]

【○+】永遠にふたりがわちゃわちゃし続けていればそれはふたりにとってもそれを別の世界から眺める我々にとっても楽しくて幸せな日常の繰り返しだったのだろうけれど、そうもいくはずもなく非日常が訪れる。すべてがそもそも「日常」を求めているのではなかったかな、と言われればその通りだが、何がきっかけになって「日常にあらざる日常がまたあらざるものとなる」かはなかなかわからないものなのだ。少年には静かにおかえりを伝えよう。

2025/03/02

[s_s]

全てが丁寧かつ幻想的で、流麗な描線による表現はとても軽やかで美しい。緻密で魅惑的な異世界の設定には、膨らませようと思えばどこまででも続けられそうな可能性を感じたので、僅か3巻という短さで完結まで漕ぎ着けたのは、潔さがあって逆に好印象。単に幸福な結末というよりかは、最初から内に秘めていた想いを見つめ直し、それを自分の言葉で伝えるという”成長”の物語であった。心に刻み込まれた楽しい思い出は、不安を抱える少年ばかりでなく、旅を共にする読者の気持ちまでも明るく照らしてくれるだろう。切なさ混じりの余韻も印象的。

2025/04/14

[みやしん]

氷雪の地・海底の町・ノスタルジー溢れるおとぎ話のような世界を空飛ぶ乗り物で旅する二人。壺中天の後少し大人になった二人はいつか再び出会えるのだろうか。

2024/11/09