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出版社内容情報
高校入学を控えた春休み、鰐川草は不思議な美術館に迷い込む。「外してはいけない」という奇妙なルールとともに手渡されたヘッドホン。だが他人のヘッドホンを奪う闖入者の出現で、悪意のゲームに巻き込まれていく。
内容説明
高校入学を控えた春休み、草は不思議な美術館に迷い込む。「けしてヘッドホンを外してはならない。バッテリーが切れる前に受付に戻る事」幾つもの奇妙なルール、完全無音の青の世界、壁一面に飾られた変な絵。まるで水中の迷宮みたいな館内で出会った少女・綾乃と筆談するうち、草はここに人の正気を失わせる異様なノイズが満ちていると気づき―。だが、他人のヘッドホンを奪う男の出現で一変。はりつめた緊張と疑心暗鬼のなか、男の放った悪意のゲームに巻き込まれていく。
著者等紹介
持田冥介[モチダメイスケ]
第26回電撃小説大賞で4次選考まで存在感を放った『僕たちにデスゲームが必要な理由』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬野
6
初読み作者さん。中学生の草は不可思議な規則のある美術館に迷いこむ。その内部では出所不明の噂が出回っており…。あらすじはサスペンスフルな雰囲気だが、個人的にはもう少し内省的な内容だと感じた。かなりお若い作者さんだと思うんだけど、自分が想定読者から外れているせいか「今の若者が生きる世界は複雑だな、大変だ」と水槽の外にいるような感想を抱いた。知らないシステム&ルールで進行するゲームのプレイ動画を、画面のこちら側でずっと眺めているような…今後こういう感想を持つ作品が増えていくと思うとなかなか切ない。星:3.5/52024/08/28
栗山いなり
5
高校入学を控える少年が不思議な美術館での騒動に巻き込まれる物語。何というか…思ってたのとは違ってたけど不思議と読み進めてしまった小説だった。上手く感想が出てこない作品だなこれ2024/08/25
yraurb
4
時代に逆行するような規則を突きつける美術館に迷い込んだ主人公が、密室めいた状況の中であれこれと感じたり考えたりする話。謎めいた状況は最近のCoCリプレイ動画くらいの奇妙ぶりなのだが、この話ではそこはあまり重要じゃない。物語としてどうこうと言うより、今の時代の空気感をよく言語化していて、そこがいい。2024/09/11
めぐ
3
ノイズの吹き溜まりを吐き出す事が主目的であるという不思議な美術館に迷い込んでしまった人々の物語。ライトな館モノのような雰囲気を楽しんだり、SNSとの向き合い方を抽象的に考えさせようとするとこうなるのだろうか…などとメタな事を考えたりしつつもサラッと読めた。多分私は折角だから何か絵を持ち帰ろうと考えるタイプだが、ヘッドホンを奪われても大丈夫そうな気がする。人間マイペースを極めれば他人の言葉に一喜一憂したり同類を求めたりはしないものだが、彼等はまだまだ青いな、青春小説だしな。着地点は無難なボーイミーツガール。2025/02/26
シャチの天ぷら
1
読み終わった後の爽快さがたまらない