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出版社内容情報
地獄のような光景が、『ほうかご』に広がる――。
瀬戸イルマには、勇気がない。
臆病がゆえに『ほうかごがかり』になってから、一度も自分の担当している『無名不思議』がいる部屋に足を踏み入れていないイルマ。
「お願い、『ムラサキカガミ』の絵を描いてください!」
そう彼女から代理で『記録』を頼まれた二森啓が返した答えは、あまりにも思いがけないものだった。それが、完全に自分の命にかかわることとわかっているはずなのに――。
『ほうかご』を受け入れて協力し合う者たち、臆病で弱くて卑怯な者、自己犠牲的な者。極限状態に置かれた子供たちが見せる強さと弱さ。
鬼才が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第2巻。
内容説明
地獄のような光景が、『ほうかご』に広がる―。瀬戸イルマには、勇気がない。臆病がゆえに『ほうかごがかり』になってから、一度も自分の担当している『無名不思議』がいる部屋に足を踏み入れていないイルマ。「お願い、『ムラサキカガミ』の絵を描いてください!」そう彼女から代理で『記録』を頼まれた二森啓が返した答えは、あまりにも思いがけないものだった。それが、完全に自分の命にかかわることとわかっているはずなのに―。『ほうかご』を受け入れて協力し合う者たち、臆病で弱くて卑怯な者、自己犠牲的な者。極限状況下に置かれた子供たちが見せる強さと弱さ。鬼才が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
68
他者依存の強い瀬戸イルマちゃん。まだ五年生の彼女に自力のみで『無名不思議』に対峙しろと言う事が無理だったのか。一度も担当の怪異に向き合えていないイルマは、啓に代打を頼み込む。どんなに危険なのかも解らない怪異から逃げて他人に預けて知らんぷり。わからないでもないが。見上真絢への憧れ(と、誤解)を叫んだ時はちょっと期待したんだけれど・・・。箒使いの菊ちゃん。彼女の凄惨な戦い方。観察に依る弱体化ではなく、祓う事で遠ざけてきた結果。祓う力を持っていたが故に臨界スレスレまで怪異と向き合えなかったというジレンマ(続)2024/04/21
オセロ
50
このゾクゾクする感じが堪らない! 早くも一人目の犠牲者が出たほうかごがかり。それでもかかりの仕事から逃げだすことは許されない。臆病者のイルマ、啓に強力的な菊、いじめられっ子の留希。それぞれの背景を明らかにしながら子ども達が極限の精神状態で向き合わなければいけない「無名不思議」の恐怖は読者の身からしてもゾッとするようなものばかりでしたけど、この結末はあまりにも衝撃的でした…。2024/02/09
よっち
39
臆病で『ほうかごがかり』になってから、一度も自分の担当する『無名不思議』がいる部屋に足を踏み入れていないイルマ。二森啓は代理の記録依頼を引き受ける第2弾。描かれていく今のイルマを作っていった背景。自信がない彼女に突きつけられたヒロインとして憧れを抱いていた真絢の結末。『ほうかご』を受け入れ協力し合う者、臆病で弱くて卑怯な者、自己犠牲的な者。極限状態に置かれた子供たちが見せる強さと弱さが描かれる中で、対象をしっかりと観察することの意味を問われる展開でしたけど、流石にここまでの結末は予想していなかったです…。2024/02/10
シノミヤユウ
37
臆病な少女に懇願され、主人公が他者の怪異に踏み込む第二弾。日々の生活に苦しむ少年少女に差した、微かな光。怪異と対峙する「ほうかごがかり」の危険と隣り合わせの幸福、それを求める彼らの切実で純粋な想いに胸が苦しくなる。喜怒哀楽も、焦燥も、絶望も、全ての感情が繊細かつ鮮烈に描かれるからこそ、物語を動かす小学生故の純粋な残酷さと怪異の理不尽な残酷さに茫然としました。「自分にとっての特別」が崩壊する恐怖と絶望に心を抉られる第2巻です。そして毎度思いますが、怪異の意味づけが天才的で膝を打ちますね。2024/03/03
冬野
29
シリーズ二作目。身構えていた以上にえげつない内容で、読み終えて呆然としてしまった。臆病者のイルマの行動に苛々させられるのは、きっと自分の中に彼女との共通点があるから。自分は全く勇敢ではないので、同族嫌悪ですな…。留希に対しては人ならぬ存在と心を通わせたらいかんよー(相手には人間の善悪や倫理は通用しないから)とハラハラしつつ読んだけど予想より遥かに惨い結末。かかりの人数が2巻でこれだけ減るなんて、三巻どうなるんだろう。厭な想像しかできない。読了後に表紙を見返すとなんともやるせない気持ちになる。星:4.5/52024/02/24