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出版社内容情報
第二次世界大戦の真実を明らかにする……
500人以上の従軍女性を取材し、その内容から出版を拒否され続けた、ノーベル文学賞受賞作家の主著。『狼と香辛料』小梅けいとによるコミカライズ、第4巻が登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
139
4巻まで進むと、原作の方も執筆当時の、そしてWWⅡ当時の機微に触れるような話が出てくる。スターリンの大粛清やホロドモール、そして下半身ネタである。何れにせよ「事実を書くな」な圧力が今現在でも掛かっているのが、人の世のどうしようもなさを感じさせる。帯にある通り「かつてあった、今なおそこで繰り返されている、戦争の証言」である。子どもたちはコートのボタン穴から今、戦争を覗いているだろう。ヒトラーとスターリンの間のヨーロッパで繰り広げられる血みどろの世界は、世界の果ての島国では想像もつかない修羅の世界なのだと思う2023/05/01
眠る山猫屋
64
今回は拾遺的なエピソード多数。戦後差別の一端ともなった戦場での恋のお話も。そりゃ命の瀬戸際だったら、恋だってしちゃうよねぇ。パンを焼いたり洗濯したり、銃を持たなくても戦場に立った女性たちのエピソード、激しい攻撃の最中でも彼女たちは与えられた任務を全うした。きっとそんな女性たちの方が多かったのだろう。やりきれない。けれど最後の郵便配達員の少女っぽいエピソードに救われた。2023/11/06
れみ
41
第二次世界大戦中、ソ連とドイツが戦っていた頃。その証言を集めた本のコミカライズ版、第4弾。今回の始まりは、原作者のスヴェトラーナ・アレクシエ―ヴィチさんがこの本を書いていた頃のことを思い返す…という場面から。そのなかには私が物心ついたころロシア(ソ連)のトップだったゴルバチョフさんが登場して、少し時代が近づいたな…と感じた。とはいえ、そこで語られる女性たちの話は今まで通り重くてやるせない。戦地から戻って周りの女性からの嫌がらせに耐えつつ戦地で出会った人と結婚したものの「君は軍靴と巻き布の臭い」と(続く)2025/05/04
みやしん
32
従軍女性達の語る長い話と短い話。兵士達のドンパチだけが戦場の全てではない。戦場の狂気とは平和な時代からはいくらでも言えるが、後に引けない状況から冷めるとおぞましいのは特攻礼賛と督戦隊等がその代表例か。死体と砲撃と寒さの中彼女達の見つける小さな安らぎもあったのだろう。極限世界から帰還した者だけが語れる証言。2023/06/15
まる子
30
前線に行っていた彼女たちから次々と手紙が届く。そして彼女たちの話を聞く。戦争で飢えた人々、戦場に売春宿や避妊具はない。恋をした彼女たちは戦地での第二婦人。しかし戦争が終わると彼らは…。とにかく「前進!後退は許さない!」と、スターリン命令227号は味方が味方を殺す。見せしめの銃殺。穴の空いた血に染まった、片方がないズボン、それらを洗濯する事の意味は…。夢みていた職業とは違う、帰ってきてからも悪夢に唸らされる彼女たち。それが戦争。帯にあるように、その戦争が今、繰り返されている。2023/05/02