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出版社内容情報
どこまでも蒼いこの島で――未来を描けない僕と彼女のひと夏の恋物語。
美大を目指す海斗は、コンテストへ応募する作品を描くため、沖縄の離島を訪れた。月夜の浜辺で歌う、人魚のような少女・風乃に出会い、惹かれていくうちに、海斗は彼女を待ち受ける悲しい運命に直面する――。
●国仲 シンジ:第27回電撃小説大賞≪メディアワークス文庫賞≫受賞作「はじめての夏、人魚に捧げるキャンバス」でデビュー。
内容説明
僕の世界はニセモノだった。あの夏、どこまでも蒼い島で、君を描くまでは―。美大受験をひかえ、沖縄の志嘉良島へと旅に出た僕。どこか感情が抜け落ちた絵しか描けない、そんな自分の殻を破るための創作旅行だった。「私、伊是名風乃!君は?」月夜を見上げて歌う君と出会い、どうしようもなく好きだと気付いたとき、僕は風乃を待つ悲しい運命を知った。どうか僕といた夏を君が忘れないように、君がくれたはじめての夏を、このキャンパスに描こう。日本最大級の新人賞、第27回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞。
著者等紹介
国仲シンジ[クニナカシンジ]
石垣島出身。生物部にてウミヘビの研究にあけくれ、地元でラジオパーソナリティを経験。元ストリートダンサー。第27回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作『僕といた夏を、君が忘れないように。』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
45
美大受験を控え沖縄の志嘉良島へと旅に出た高木海斗。どこか感情が抜け落ちた絵しか描けない、そんな自分の殻を破るための創作旅行で、一人の少女と運命の出会いを果たすひと夏のボーイミーツガール。自らの絵が人の目に触れることを忌避する海斗が出会った天真爛漫な少女・風乃。彼女に振り回されるかけがえのない日々と、島全体から感じられる不穏な雰囲気。海斗が変わるきっかけをくれた、全てを諦めかけていた彼女のことを放っておけるわけもなくて、最後まで諦めずにぶつけ合った想い、そんな二人が迎える結末にはぐっと来るものがありました。2021/03/26
Peter Rabbit@ポプちゃん大好きです
35
《あらすじ・感想》美大受験を控えた海斗はコンクール出展の絵を描くべく沖縄のある島を訪れる。そこで出会ったのは快斗と正反対の性格の彼女・風乃。彼女と出会い、海斗は少しずつ変わっていくが、一方、風乃は__。とても面白かったし、沖縄の方言が入っていて地元感がありほっこりさせられた。しかし最後に向けた大どんでん返しに驚いた。想像はしていたものの、それを超えるどんでん返しでとても面白かった。そしてワクワクと青春のドキドキが止まらなかった。是非一度読んでみてはどうでしょうか?2023/01/10
稲荷
27
淡く純粋で、読みやすい作品だった。特に後半の主人公の全力さが青春らしくてよかった。大切なのは、周囲の意見に囚われすぎるのではなく、自分の意思を尊重すること。そして、その気持ちに素直になって認めること。2021/04/22
きー
23
第27回電撃大賞メディアワークス文庫賞受賞作。受賞作らしい「綺麗」な青春小説。王道ゆえ、シンプルゆえ、心もぐっと掴まれやすかった。読み終えてみると、スーパードライな(ビールじゃありません)海斗が、いつの間にか熱い男になってて、それだけ風乃や京花といることで心が動かされたんだと思うと、自分まで熱くなっちゃってました。心情の変化、風乃のかわいさ、周りの人間の温かさ、話の分かりやすさ。どれをとっても受賞作らしい作品だと思います。2021/04/30
なみ
21
美大受験のため、沖縄の小さな島へ旅をすることになった海斗は、同い年の少女、風乃と出会う。 美しい景色が、風乃に抱く感情が、海斗の世界を鮮やかに彩っていく。そんな、どこまでも真っ直ぐなボーイミーツガールでした。 クライマックスの熱量が素晴らしかったです。 風乃が一人で抱えようとしていた残酷な運命を壊すため、殻を破って突っ走る海斗の姿に、目頭が熱くなりました。 終わり方もとても綺麗で、最後の一文を読み終えたときに一枚の絵が完成したような、爽やかでスッキリした読後感でした。2021/04/02