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出版社内容情報
自分を見失った僕。足跡を辿るなかで、ついに彼女たちの終わりが来て――。
内容説明
一人の中にいる二人の少女「秋玻」と「春珂」。彼女たちと恋するなかで、僕は「自分」がわからなくなってしまう。―僕って、どんなやつだったっけ?明るい作り物の僕と、その裏にいた繊細な、本物の僕。…本当にそうか?春休み。再び明るくなった僕は、支えてくれる秋玻、春珂と一緒に、自分を探しはじめる。そして入れ替わりの時間が短くなってゆく彼女たちにも、同じように自分への疑問に向き合うときが来る。「―わたしたちって、二重人格って、なんなんだろう?」二重人格の彼女とともに過ごした一年を辿り終えたそのとき、僕は終わりゆく「彼女たち」の最後の願いに触れる―。僕と彼女と彼女が紡ぐ、切なく愛しい、三角関係恋物語。
著者等紹介
岬鷺宮[ミサキサギノミヤ]
ライトノベル作家。作品に『失恋探偵ももせ1~3』、『三角の距離は限りないゼロ1~7』、『読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから』(いずれも電撃文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
53
どんな自分も自分を構成する一部であり「本当の自分」などない。ということを受け入れることが大人への成長過程ならば、それについて思い悩む矢野はまさに17歳の思春期を正しく生き、健全に青春を謳歌している少年だ。一方、秋玻と春珂があやふやになった矢野の自我を追い求め、矢野へと返すことは、三人それぞれの自我の確立に大きく影響することになる。まさに三角の距離がゼロになって、融合して、それぞれが出した結論へと至っているように思えた。何という構成の妙!!矢野が告げた答えは如何に。知りたいような知るのが怖いような…。2021/08/08
星野流人
50
秋玻と春珂の入れ代わりが終わる……前に、矢野が自分の性格を見失い、改めて自分自身というものに向き合う1冊でした。矢野自身だけでなく、これまで近くから彼を見ていた秋玻と春珂、さらには様々な立場の友人知人たちからの“矢野像”を聞いて回る様子は、小説というよりも自己啓発本じみた雰囲気のお話になっていました。思春期特有の精神状態のあやふやさを、真っ向から描いてきた印象です。そして“矢野とはどんな人間か?”という問いに答える秋玻/春珂に、ついに入れ変わりの最後のときが……。最終巻でどうまとめるかに、期待が高まります2021/09/09
よっち
35
一人の中にいる二人の少女秋玻と春珂。彼女たちと恋するなかで「自分」がわからなくなってしまった矢野。春休み、再び明るくなった僕は、支えてくれる秋玻、春珂と一緒に、自分を探しはじめる第七弾。庄司霧香の協力を得ながら、秋玻/春珂と一緒に自分がどんな存在だったのか、周囲に取材していく矢野。そして気づいてしまった自分の想い人の存在。自分は何者なのかという思春期らしい葛藤と青春の展開でしたけど、彼女たちのあり方にも終わりが見えてくる中で、想いを矢野がどう受け止めて答えを出すのか、次巻最終巻ということで期待しています。2021/08/07
オセロ
34
秋破/春珂の二重人格に終わりが近づく中、ある夢を見たことをキッカケに自分を見失ってしまった四季。そんな四季を元に戻す為に秋破/春珂は霧香と共に四季の知り合い巡りをすることに。 様々な人の視点を通して四季の姿を見ることで見えてくる四季のいろいろな姿。そのどれもが四季を構成する要素の一つで。だからこそ四季は自分を見失ったのかなと。そんな四季の自分探しを通じて物語の根幹に結び付ける構成には痺れましたね。 果たして四季が秋破/春珂の想いにどんな答えを出すのか、最終巻となる次巻が楽しみです。2021/08/08
ナギ
33
自分を見失った矢野。それを探しに仲間や過去の知り合いを頼るが出てくるのはそれぞれの印象で。人によって自分の評価が違うなんてのは当たり前なんだがそれを再度確認して行き、これからどうすべきなのか、どちらを選ぶべきなのか。究極の二択を選択する時が訪れる。次巻最終に期待します。2021/11/11