内容説明
日々進化するサイバー犯罪に対抗するため『クー・フーリン』という高度なセキュリティ製品を扱うショウは、かつての友人で今は行方不明のサクを探していた。その中で、ショウは未曽有のサイバー事件に巻き込まれていく。サイバーセキュリティに携わる者が取る帽子は2つ―彼らが選ぶのは秩序を守る白の帽子か、それとも混沌をもたらす黒の帽子か。
著者等紹介
梧桐彰[ゴトウアキラ]
サイバーセキュリティコンサルタント。セキュリティ関係の様々な職を経験後、現在は外資系企業に勤務しつつ、著述業にも従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なみ
15
サイバーセキュリティに関わる2人の男、ショウとサクの話。 2人とも真っ直ぐなところが良いです。 序盤からは想像もできないラストの熱量にやられること間違いなしです。映像で見てみたい。 特に第4章の最後の方の濃密さがすごい。アルトさんがカッコ良かった。2020/11/25
ちゃか
6
学生時代に出会った友人、サクと一緒にIT分野を学んでいったショウ。 サクが天才的な技能で作り上げたツールを、ショウが営業していくというスタイルで、二人は、順調に成長していたはずだった。 しかしある日サクは失踪し、シュウは失意の中で怠惰な生活を送ることに。シュウの葛藤っぷりは中々のモノで、うじうじしてるな……とは最初ちょっと思いましたけど。 それだけサク相手に真摯だったからこその最後なんですよね。読み返すと印象変わりそう。2021/01/27
お咲さん
6
セキュリティ製品を扱うショウは忽然と姿を消した親友サクを探し続けていた。だが、その先に待ち受けていたのは想像を絶するような悪夢でーー近い未来に起こり得そうなサイバーテロは読んでいると非常にリアルで恐怖を煽る。我々の世界は薄い氷上に打ち立てられたものであるとまざまざと突きつけられる。ITは使い方を誤れば簡単に人間を殺し、社会を崩壊させる。それを御するは秩序を守る心、愛なのかもしれない。ライト文芸とは思えない重みのあるハードボイルド小説でした。2020/11/22
らっこ
4
ITのセキュリティ業務に携わる主人公が失踪した親友の手がかりを探すうちに大きな陰謀に巻き込まれていく話。出だしの混乱の描写である程度覚悟したものの、登場人物たちの性格や会話から想定されるような軽い話ではなく、どんどんどんどんダークでダーティーな路線に行くのが予想外といえば予想外でした。2021/05/22
ゴジラ 芹沢
4
期待していた以上に面白かった。 IT系の用語を平易に説明できるのは、流石、作者がサイバーセキュリティコンサルタントをやっているだけある 2021/03/16