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出版社内容情報
絡繰騎士は叛旗を翻す――孤独な姫を救うため、偽りの世界に抗うため。
内容説明
対吸血鬼戦闘用絡繰騎士“白檀式”―ヘルヴァイツ公国が誇る天才技師・白檀博士の“五姉弟”は、欧州を吸血鬼軍の侵略から救う英雄となる…はずだった。十年ぶりに目覚めた“失敗作”、第陸号・水無月は想定外の戦後を前に愕然とする。起こるはずのない暴走事故により、“虐殺オートマタ”として歴史に名を刻んだ五体の姉兄たち。さらに大公と吸血鬼王による突然の和平を経て、公国は人間と吸血鬼が平等に暮らす世界で唯一の共和国へと変貌を遂げていた。亡き博士の娘・カノン、吸血鬼王女・リタとの出会いを通じ、新たな“日常”を受け入れていく水無月だったが―。第25回電撃小説大賞・銀賞受賞・オートマタの少年と二人の姫が織りなす、正義と反抗のバトル・ファンタジー起動!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ami*15
51
カノン&リタと過ごす賑やかな日常、オートマタである自分が存在する意味、敵への苛立ちと大切な仲間を守りたいという思い。物語を追っていくうちに読んでいる私も水無月と同じ世界を体験しているような不思議な読み味でした。緊迫感漂う戦闘シーンもあり、2人の個性の違ったヒロインとのラブコメもありとラノベならではの要素が沢山詰まった作品だなと思いました。とにかく水無月が私も読んでいて欲しくなった(笑)。《白檀式》や春海の件にはまだ謎がありそうだし、カノンの夢や水無月の新たな戦いも今後どう描かれていくのか楽しみです。2019/03/11
まりも
45
対吸血鬼として開発されながら失敗作として封印された絡繰の少年が、新たなマスターと共に歴史に刻む反逆譚ここに開幕。これぞ王道。一度も戦う事なく封印されてしまった絡繰仕掛けの少年が平和な時代で迷いながら自分が戦う意味を探していく。そんな水無月の変化を時にコミカルにそして熱く描いた様が本作最大の持ち味だろう。バトルも日常シーンも絡繰ならではの演出があって非常に良い。Wヒロインも1人は絡繰マニア、もう1人はポンコツで高貴な吸血鬼の女王とそれぞれ違った魅力があって素晴らしい。純度100%の王道を楽しみたいなら是非。2019/02/10
よっち
38
吸血鬼と戦う中で戦闘用絡繰騎士《白檀式》が暴走し、結果的に人間と吸血鬼が平等に暮らす共和国へと変貌を遂げたヘルヴァイツ公国。そこに十年ぶりに白檀式の失敗作・水無月が目覚めるバトルファンタジー。亡き博士の娘でマスターのカノンとの不本意な関係と、偏見を持たない吸血鬼王女・リタとの出会い。世間知らずな自覚がない水無月とヒロインたちのズレた会話のやりとりは微笑ましくて、一方で巻き込まれてゆく争いの中で過去の真実と向き合うことにもなって、葛藤しながらも自分のありようを見出していく王道展開はなかなか良かったですね。 2019/02/09
まっさん
28
★★★★★ 人類と吸血鬼が争う世界。吸血鬼の圧倒的な力に人類は次々と敗戦の一途を辿るものの一人の天才戦闘用絡繰騎士博士によって生み出された5人の絡繰騎士によって戦況は一変した。5兄弟の6番目の弟として作り出された主人公水無月は一度も戦場に出ることなく「不適合」の烙印を押されて眠りにつかされる。10年後に目覚めた彼が見たのは人類と吸血鬼が手を取り合っている世界、そして史上最大の犠牲者を出した起こるはずのない5兄弟の虐殺暴走事件。そんな現実に呆気に取られながらも不器用なりに日常生活に馴染もうとする水無月。→2019/04/14
まるぼろ
26
第25回電撃小説大賞銀賞受賞作品、1960年から欧州で始まった吸血鬼の侵攻に対抗する事が期待されていた対吸血鬼戦闘用絡繰騎士「白檀式」の水無月は、しかし実戦に投入される事なく10年後に目覚めると…と言うお話です。自動人形に人間性を問うには時代背景が物騒過ぎるとは思いましたが、隠蔽されていたケルナーの悲劇の真相や水無月たち白檀式に使用されいた…などなどまだ全容が見えてこない布石が多く、面白くなりそうだとは思いました。今巻でヴィルヘルムを倒し、再起動を果たした水無月ですが、次巻はどんな話になるのか楽しみです。2019/02/13