内容説明
「わたしのパパ、あの木にいるの」死の意味さえ理解できない10才の少女シモーンが親友に話した。木は、家の庭でいつも優しく家族を見守ってくれている。しかし、パパの死の一年後についにそれは起こった。大きな嵐が、家族にどちらかの道を選べと決断を迫ったのだ。生きるか、死ぬか。シモーンは、大人になってようやく気づいた―死を恐れていては、生きていくことなんてできないということを。
著者等紹介
パスコー,ジュディ[パスコー,ジュディ][Pascoe,Judy]
オーストラリア生まれ。子どもたちに夢を与えたい、という強い気持ちからサーカス団に参加。その一員として各地を巡業した後、イギリスに渡りスタンダップ・コメディアンになる。『パパの木』が処女作
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感想・レビュー
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岸野令子
3
映画が近日公開されるが、この本は再販されないそうで、図書館で借りて読んだ。若くして死んだパパ。少女は庭にある大きな木に登るとパパの声が聞こえるという。その木の根っこが、枝が張り出して家の中まで侵入し、配水に影響してしまう。配管工が来てママはどうやら彼と仲良くなったみたい。成長した娘の回想で語られる、父を亡くした家族の話。大切な人の死を受け入れる喪の仕事。母の混乱でむしろ娘の方がしっかりするのだ。ファンタジーではなくリアルな作品。木には精霊が宿っているのだなあ。2013/04/07
のちおちゃん
0
☆☆☆2016/11/29
Lisa Tada
0
軽やかで、そして 深く、辛い。心の奥底の痛みに、突き刺さるお話。少女の軽やかな日常かと思いきや、大人になるという【生き直し】の、人生についての お話。2019/12/28