出版社内容情報
少年にはある秘密があった。精神障害を持つ叔母ナルダが教えてくれた、おなかのなかのダイヤモンド。その秘密を守るため、人を避け続ける少年はやがて本当の優しさに触れていくが……。繊細な筆致で描かれた感動作。
内容説明
「ぼく」には叔母ナルダに教えてもらった奇妙な秘密があった。秘密が暴かれる恐怖に脅えるあまり、人を信じることのできない彼は、病院の庭師として働くうちに初めて真実の友情と愛を知る。そして秘密という呪縛から解き放たれようとするが…。神秘のヴェールに包まれたこのバンドの楽曲にも似た、ナイーヴで独特な個性の光る作品。
著者等紹介
デイヴィッド,スチュアート[デイヴィッド,スチュアート][David,Stuart]
1969年生まれ。グラスゴーで結成され、1999年ブリット・アウォードにてベスト・ブリティッシュ・ニューカマーを受賞したバンド、“ベル&セバスチャン”の元ベーシスト。2000年、自ら率いる別プロジェクト“ルーパー”としての活動および執筆に専念するため脱退
田栗美奈子[タグリミナコ]
お茶の水女子大学英文科卒。翻訳家。桜美林短期大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
99
イギリスのロックグループ、ベル&セバスチャンのベーシストが書きあげた小説。ベル&セバスチャンは私が最も好きなグループだ。彼らの音楽が初期の頃に持っていた繊細で張りつめた美しさを、この小説も持っている。前から思っているが、ミュージシャンは文章がうまい。心の中に自然に入ってくる言葉を選び取ることができる。ナルダと呼ばれる女性に育てられたナイーブな少年が主人公。彼は庭師の仕事を通して友達を作っていく。自分の体の中にダイヤモンドがあると信じている彼は、お伽噺の主人公のようだ。→2017/01/22
Hirouch
6
さすがは元ベーシストの小説。場面場面は音楽のように流れて頭にすうっと入り、気がついたら物語に入り込んでいました。 あとがきの作者の言葉「人は自分の人生を変えるチャンスが訪れても何かを信じこむ気持ちが強すぎて行動に移せない事がある。それに引きずられて生きる方向を見失ってしまうことがある。」 人生とは選択の連続であり、選択の結果が今であるわけだから、選択は人生そのものであると言える。ゆえに選択の際には、自分自身と徹底的に対話を持ち、自らの知性と勘を信じ、最善の選択をする努力をしよう、と決意しました。 2015/05/07
ちゅら。
3
幼くしてナルダ(おばさん)に預けられた少年。たくさんのお話しを聞かせてくれたナルダは、心の病になり少年の元を去ってしまう。ナルダを妄信したまま大人になった少年は、小さいころから繰り返し聞かされた「おはなし」と現実の切り替えをできず、孤独に生きていくしかないのだ。少年の本名もわからないまま・・・なにも助けてやれないまま・・・切なくやりきれないラストでした。訳が上手かった!作者スチュアート・デイヴィットさんはミュージシャンだそうです。多才だわ。2013/06/12
boooook
2
三度目2009/03/17
暴走妄想族
1
大人は子供にとってナルダになってはいけないと、子育て中の身として強く感銘をうけた。2002/03/30
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