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クジラの島の少女

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784048970396
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

ニュージーランドのファンガラの地で、一人の少女が生まれた―その名はカフ。クジラ乗りの先祖をもち、代々男を長としてきたマオリの一族に、初めて娘が授けられたのだ。しかし跡継ぎを切望していた、長である祖父は、カフをどうしても受け入れられない。頼もしく優しい祖母や叔父、そしてニュージーランドの自然に囲まれ成長するカフ。やがて彼女に不思議な力が備わっていることに、二人は気づく。一方、頑な祖父は跡取りの男の子を探し続けるが、上手くゆかない。そんな時、いつもそばには笑顔のカフがいた―。そして運命の時は、突然、やってくる。クジラの異常な大群が浜に押し寄せた。かつてないマオリの危機に、一族全員が結集する。もはや為す術もない状況の中、クジラの声に導かれるかのように、少女は一人、海へと向かった…。マオリの少女が起こす奇跡が、国境を超えて感動の涙をもたらす。ニュージーランドの国民的作家が描く、愛と奇跡の物語。

著者等紹介

イヒマエラ,ウィティ[イヒマエラ,ウィティ][Ihimaera,Witi]
1944年ギズボン生まれ。オークランド大学中退後、ギズボン・ヘラルド紙の記者を務め、再び学究生活に戻る。短編集『Pounamu Pounamu』(72)、続けて小説『Tangi』(73)と、マオリ人作家として初めて本を出版し、注目を浴びる。これをきっかけに当時のニュージーランド首相によって、外交官に起用され、アメリカで大使館に勤務。90年からオークランドの大学で教鞭をとるかたわら、精力的に執筆活動を続けている。小説からノンフィクションまで、著作は多数。ニュージーランドの国民的作家である

沢田真一[サワダシンイチ]
弘前大学人文学部助教授。国際社会講座所属。現代オセアニア論担当

サワダハンナ・ジョイ[サワダハンナジョイ]
弘前大学留学生センター専任講師。比較文化専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tsubomi

7
2016.04.25-04.30:マオリ族に伝わる神話の世界と現実を生きる若者たちを、マオリの言葉を交えながら描いた神秘的な話。クジラと話ができる少女カフが神話の世と現世、海の世界と陸の世界、海獣と人間とをつなぐ役割を担っていて、ちょっとナウシカを連想。全体的には俗世間で生きるしかない海の民の末裔たちの失われた絆や郷愁、ルーツへの回帰や独自の文化の継承をテーマにしていますが、カフが女性として生まれたことで認められない悔しさや現実を変える姿がより強いテーマとして感じられたのは私が女性だからかも。2016/04/30

けめこ

0
エンタメ小説というより、神話。アイヌのカムイユカラみたいな感じ。少女が部族を救うことはなんとなくわかってて、その英雄譚を聞くような。それでも、冬の章からの急展開ははらはらしながら読んだ。そうなっちゃうの!?って叫んだ。秋の章の語り手の体験が生々しくてしんどい。放射能って出てくるところあるけど、水爆実験を意識してるのか?2017/10/19

ゆぅいちゃん

0
運命の子、カフの物語。とても純粋で聡明な少女カフ。見知らぬワタシまでもが抱きしめたくなるようなすてきな少女だ。家族の繋がりの中で…母たちがほとんど描かれないのは叔父が語り手だからか。叔父のパプアニューギニアでのエピソードはとても辛い…自然について、多様性について、尊重し合うことについて、優しさについて、考えたくなる一冊。2022/07/03

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