内容説明
1927年、ロシア。美しい父親の歌声に包まれて、貧しくも幸せな日々を過ごしていた少女フィゲレ。しかし革命後の混乱により、父と娘は無情にも引き離されてしまう。少女は深い霧の中、離ればなれになった父を探しに、ひとり遙かな旅に出る。かすかに耳に残る父の子守唄を胸に抱いて…。ロシア、ロンドン、パリ、そしてニューヨーク―ヨーロッパ各国が戦乱に揺れた激動の時代、故国の言葉や愛する人々を失いながら、少女は旅行く先で生きぬくすべを見いだす。幾度となく涙を流した黒い瞳にも決して諦めの色が宿ることはない。強く儚い少女の歌声は、やがて触れ合うすべての人々に届いてゆくのだ―。監督サリー・ポッターが「20世紀を生き抜いたすべての人へ」という思いを込めて自ら筆をとった、切なくも力強い讃歌。
著者等紹介
ポッター,サリー[ポッター,サリー][Potter,Sally]
1949年イギリス、ロンドン生まれ。映画監督、脚本家、音楽プロデューサー。10代の頃から短篇映画の製作に携わり、その傍らダンサーや振付家、アーティスト、舞台監督として多方面で活躍。プッチーニのオペラをオマージュした短篇映画が話題となり、以後映画監督として精力的に活動。ヴァージニア・ウルフの名作を脚色した『オルランド』(92)は世界的絶賛を浴び、25の国際的な賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされた。監督・脚本・主演を果たした『タンゴ・レッスン』(97)は本場アルゼンチンで賞を受け、脚本から音楽まで映画製作のすべてに巧みなプロデューサーとしてその名を高めている
野沢佳織[ノザワカオリ]
上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家
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感想・レビュー
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