出版社内容情報
楪 一志[ユズリハ イッシ]
著・文・その他
ふすい[フスイ]
イラスト
内容説明
安楽死が合法化されている2040年、神奈川県・江ノ島を望む“ラストリゾート”。この場所で死を願う人々と向き合う“人命幇助者”の東峰渚は、かつて自らも安楽死を望んでいた。だからこそ、寄り添える痛みがあると信じたい。あの時の自分を照らしてくれたような、誰かの希望の光になりたいと願っている。それがたとえ、最も許せない人であっても。生きる辛さ、その孤独に優しく寄り添う。SNSで話題を呼んだ『レゾンデートルの祈り』、待望の続編。
著者等紹介
楪一志[ユズリハイッシ]
2021年、Web小説サイト「カクヨム」掲載作を加筆修正した『レゾンデートルの祈り』にて作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
69
レゾンデートル②2040年、安楽死が合法化された日本。安楽死希望は、申請をして1年間の期間に《人命幇助者》アシスターと十回以上の面談をする。もし申請を取り下げれば二度と再申請は出来ない。アシスターの東峰渚(とうみねなぎさ)は、安楽死希望に寄り添い話を聞く[夢から覚めた日]声が出なくなった歌手[葉見ず、花見ず]渚を捨てた実母[泣いてない]同僚アシスターの絶望▽「何のために生まれてきたのか」生まれてきたこと自体に意味はない▽命について考える。苦しさや悲しさについて、肯定も否定もしないところがいいのかな。2022/10/10
まる子
28
人は生まれた意味を求めたり、生きている理由を見失ったりする。それはアシスターだって人間だから同じだ。安楽死制度でそれを申請する人たち。過去の栄光があるから見失い、自分だけが不幸に見えたり、それでも自分らしくいたいと願う人それぞれ。「生きてほしい」と言葉にしなくても願う事はできる。アシスターの東峰渚もかつては安楽死を申請し取り下げた過去を持つ一人だから。2040年の日本では安楽死制度が合法化されるのか、いやないだろうな。『レゾンデートルの祈り』の続編。2023/08/22
なみ
20
あの日ゆびきりをした少女は、憧れの女性の背中を追いかけて、人々に寄り添うアシスターとなった。 「死にたい」の向こう側にあるものを見つめて、どこまでも純粋に人のことを想う姿が素敵でした。 穏やかなのに痛々しさも感じる『泣いてない』がすごくよかった。 祈りに引き続き"生きることが正しくて、死ぬことは間違っている"という、綺麗で単調な理想論に落ち着かないところが好きです。 最後のそのときまで、死を救いだと信じる人もたくさんいるわけで、そういった人の意志まで尊重して、その上で寄り添おうとしてくれる物語でした。2022/09/02
達ちゃん
18
シリーズ2作目は渚が主人公。どのエピソードもなかなか良かったです。眞白のさらなる活躍も見たかったですが、次に期待します。2024/05/17
のあ
17
1巻が良かったので早速続編を購入。 眞白から渚へと世代交代した感じが唐突すぎてもう少し眞白のアシスターを見ていたかったです。 話の内容は濃くて読み応えがあるのに良くも悪くもあっさりストーリー展開されいく。 何だかもったいないなぁ…と思ってしまいます。 2023/01/09