内容説明
古代日本史における衝撃的な新説を説いた論文が盗まれた―。大学教授だった亡き父の最後の論文が誰かに盗まれたと疑いを持った篠宮奈流美は、消えた父の論文の手がかりを探すため生前父と交流のあった糸魚川の郷土史家・衿角家を訪ねた。学者並みの知識を持つ青年、児嶋陸を紹介された奈流美は、父から聞いていたヘビ、ハチ、ムカデ、そして出雲大社というキーワードから消えた論文の捜索の協力を陸に求める。果たして論文は本当に誰かに盗まれたのか、そして解き明かされる古代日本人たちが体感していた神秘とは―。
著者等紹介
浜矢スバル[ハマヤスバル]
岩手県出身、室蘭工業大学卒業。著書に『ヘビ、ハチ、ムカデは至宝を隠す』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
37
読友さんのご紹介で知った本。一気読みでした。古代の日本史にミステリがプラスされて、面白い、面白い。 きっと出雲大社に行きたくなりますって!2023/11/18
agtk
5
読みやすいし、出雲大社の謎もまあまあ。特に後半は楽しめた。でもこのネタなら短編か中編ぐらいでぎゅっとまとめたものだともっと読みやすかったかも。登場人物たちはちょっと苦手。2022/01/10
ほたる
5
ヘビ、ハチ、ムカデ、と出雲大社の関係は?キャラクターの設定が活かされたときはなるほどなと納得した。歴史解釈もシンプルで理解しやすく、読み口としては軽い。登場人物の掛け合いも面白い部分もあり、そこに重点を置くのも良さそうだと思った。なかなか興味深い解釈で楽しみながら読めました。知識を交えながらサクッと読む分には申し分なく満足できる作品。2021/12/28
DK-2084
3
★★★★☆図書館本2023/01/15
ヨコケイ
3
女子大生の一人称。ですます調がやや読み辛い(個人の感想です)。女性官僚が新潟を訪れ、大学教授だった父親の論文の内容を訊ねる。女子大生の祖父は郷土史家で、教授の先輩であり研究仲間だった。女子大生は幼馴染みに協力を仰ぎ、遺された手掛りから、出雲大社の謎に纏わるという論文を再構成しようとする。教授の論文を盗んだ(?)容疑者が出揃い、歴史の謎×現代の事件という歴史推理の定型風になる。物語的な興趣が薄めなあたりが鯨統一郎っぽい。無い物ねだりだがもっとハッタリを利かせないと絵解きの焦点がボンヤリするような気がするの。2022/08/19