内容説明
至福の島のエルフに「死」という概念はない。女神アナが創生した「リア・ファイル・システム」により転生を繰り返すだけである。それゆえ「哀しみ」は失われつつあり、あまつさえ大教主マクリールは他の感情すらも禁じるようになっていた。ハイブラゼル空軍隊長で高位エルフのルゥは、真銀製戦闘機“アンバール”を駆り、今日も敵国将軍を撃墜し「英雄」の名を知らしめた。だが、心の片隅では「畏れ」の感情を秘め、偽りの英雄を装っている。72回もの転生により失った記憶の断片に苛まれ、大教主の戒律に疑問を持ち始めていた。そんなある日、ルゥは感情豊かな少女ブリジッドと出会い、懐かしさにも似た不思議な感情を抱くのだが…。
著者等紹介
多宇部貞人[タウベサダト]
愛知県生まれ。第17回電撃大賞小説部門にて『シロクロネクロ』で大賞を受賞し、同作品にて小説家デビュー。ゲームのシナリオやラジオ「ガールズラジオデイズ」のシナリオ制作に関わるなど多岐にわたって活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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