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出版社内容情報
好きになったのが、“あなた”だっただけ。「こういうのが初恋なんだなって、思いましたっ」
いつも背中を追いかけていた、あの人への『憧れ』。夢の中で一緒に過ごした、海辺でのあの子との『友情』。傷つけてしまったあの人への、伝えられない内緒の『想い』。私の好きな人は、私以外の人も好きなのだろうか。たくさんの人と物の中で、その女の子を好きになっただけ。もどかしい想いを描く、少女たちの可憐な物語。
入間 人間[イルマ ヒトマ]
内容説明
いつも背中を追いかけていた、あの人への『憧れ』。夢の中で一緒に過ごした、海辺でのあの子との『友情』。傷つけてしまったあの人へ、伝えられない内緒の『想い』。私の好きな人は、私以外の人も好きなのだろうか。たくさんの人と物の中で、その女の子を好きになっただけ。自分の気持ちが恋なのかどうか、分からないし、確かめることもできない。そんなもどかしい想いを描く、少女たちの可憐な物語。
著者等紹介
入間人間[イルマヒトマ]
1986年生まれ。2007年6月、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒瀬
120
【あなたの右目を傷つけて、よかった】 後日譚のエンドブルーを読んだ後に再読。本著を読んだ当時はアオと芹の関係は自然消滅して、されど芹はまだ未練がある。会おうと思えば会えるけど、今は別のひっつき虫が……なんて思っていたけどそんか単純な別れじゃなかったのね。世界を変えてしまったのか。会社を辞めたのもアオを喪ったからで、もしも健在なら右目は今でも光を追いかけていたかもしれない。以来、ずっと一人で生きてきた芹の新しいひっつき虫は右目を傷つけた張本人。クラクラするような背徳感とはおさらば出来そうにないと見える。2020/12/21
スズ
84
走っている間だけ現れる謎の少女の背中を追って走り続ける少女、夢の中の浜辺で不思議な少女と出会った少女、赤ん坊の頃に叔母の左目を失明させてしまった少女の、三人の少女達が織りなす物語。叔母に対して償いをしなければならないという気持ちと、叔母に対する恋慕の感情に板挟みになって悩む少女でしたが、叔母に「寝込みを襲わないでよ」と言われてむせたり、酔っぱらって「おっぱいは触ってみたいけど、叔母さん以外の膨らみはどうでもいい」と言い切ったり、大好きな叔母に抱き締められて真っ赤に赤面したりする彼女がとても愛らしかったです2017/05/01
佐島楓
52
少女が女性を好きになる、といっても、百合百合しているわけでもないので、苦手と感じる方も大丈夫だと思う。ちょっとずつ変化球で、ぽわぽわした会話が夢の中のやり取りのようで、独特の空気感がある。入間さん初めて読ませていただいたが、ちょっと意外な感じの作品。2017/03/06
さばかん
38
「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」 仲良き事は、美しき哉。2017/06/03
masa
35
四つの短編からなる、少女の淡くも真っ直ぐな想い。内面の衝動と変化がとてもよくて、情緒的にも詩的にも感じた。表題の「妄想」が、しっくりくる。彼女たちの、純粋で可憐な恋心が愛しい。遠い昔を想い、自分と重ねてしまう。そして幾つになっても、その度に少女に戻るのだ。可憐な乙女たちは、動く心に翻弄されながらも、好きな気持ちを実感して行く。好きになった相手が〝あなた〟だった、だけ。それが女でも男でも。人から見て歪でも、生まれた気持ちに嘘は付けない。好きな人と気持ちが重なる時を過ごせたなら、それだけで特別な意味を持つ。2017/04/09
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