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内容説明
再び季節はめぐり、次の竜ヶ坂祭りに向けて練習を続ける『ドラフィル』のメンバーたち。しかしそのさなか、響介のもとにある奇妙な依頼が舞い込んだ。依頼者の名は、七緒の育ての親であり、彼女を見捨てたはずだった女性―一ノ瀬真澄。その内容は真澄の姉であり、世界的ヴァイオリニストの羽田野仁美が所有するヴァイオリンの鑑定であった。所持した者に不幸を呼ぶという呪いのヴァイオリン“チェリーニ”に酷似した、その楽器の正体とは?そしてドラフィルの演奏会の行方は―。
著者等紹介
美奈川護[ミナガワマモル]
都内在住の会社員。第16回電撃小説大賞(金賞)受賞作『ヴァンダル画廊街の奇跡』(電撃文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
68
音楽のために計算高く生きてきた女王が実は・・という納得の最終巻。全巻を通して、いくつものすれ違う家族が再び寄り添い、あるいは別れていく。名曲に彩られた家族の物語だった。この巻に出てくる呪いのヴァイオリンを検索してみると、なるほど不気味なデザイン。その歴史をもっと知りたくなった。2020/09/11
papako
58
シリーズ完結。最後はやはり七緒と母親の対決でしたね。七緒は世界的ヴァイオリニストの母親に捨てられたわけではなかった。ただ遅すぎたのね。事故で失ったものは多いけれど、取り戻したものを数えて生きているような七緒が素敵。コンパクトで読みやすい気分転換にちょうどいいシリーズでした。しかし炎天下でのマイスタージンガーエンドレスって!ちょっと聞いてみたいけど、楽器痛みそう。2018/11/23
dr2006
57
大舞台から転がり落ちても楽しみ続けるか、懊悩を飼いならしながら名誉を得るか、どっちが音楽人として正解なのか?プロに成れる人は一摘みだ。学生時代にちょっとだけ音楽に関わった自分も、プロの音楽人として生きることは叶わなかった。だから商店街の本業の傍らドラフィルの様なクセのあるアマオケに参加できる彼らが羨ましくなった。音楽で休符は単に音を出さない事だと思われがちだが、ゲネラルパウゼ等は楽曲における重要な間となる。走り続ける人生にも立ち止まる休符が必要だと思う。完結編、七緒と響介の策略の行方が読み所。面白かった⤴2020/08/20
nins
44
ドラフィルシリーズ完結。まさか3冊目が出るとは思っていなかった。世界的ヴァイオリニスト羽田野仁美とヴァイオリン「メサイヤ」「チェリーニ」にまつわる呪い。七緒と羽田野仁美の問題。響介と七緒、そしてドラフィルのメンバー達が挑むはベートーヴェン。ヴァイオリン協奏曲の王者「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」。演奏シーンもバッチリ。音楽を続けるということ。生きることは、奏でること。指揮棒の紡ぐ先。さまざまな因縁も仲間たちの後押しと立ち向かう勇気。3冊通して最初から最後までマイスタージンガーが鳴り響く。2013/04/22
hnzwd
40
まさかのシリーズ第三弾にして、完結編。主人公達の挫折からの再生の物語がラストシーンの演奏に集約されていく構成は変わらず。続けていっても違う構成にするのは難しいだろうから、ここで完結は正解かな。元気をもらえるお話でした。出てくる曲が7割くらいしかわかんなかったんで、、聴かないと。2013/04/30
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