電撃文庫<br> 断章のグリム 〈17〉 白雪姫 下

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電撃文庫
断章のグリム 〈17〉 白雪姫 下

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784048865630
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

71
グロメルヘン作品も遂に完結。最終巻なだけに読者と主人公の心のへし折り方がハンパなかったです。蒼衣に近しい人を分け隔てなく殺していく容赦の無さは流石。特に一般人お魚天国はトラウマモノでした。望み通り死んでいった神狩屋、残されたロッジの子供たち。蒼衣がこれまで固執していた「普通」の世界は学校しか残されていない辺りが余計にツライですね。これからも惨劇は続くんだろうけど蒼衣、雪乃には少しでも良いから普通の日常を送って欲しい。ハッピーエンドでは無いけど少し救われる終わり方でした。葉耶と風乃の会話がすごく印象深いな。2015/02/03

Yobata

51
夢見子と颯姫を盾にし逃げ去った神狩屋。全てを知っていた神狩屋は本当の断章を使い、自分の目的のために猛進する。そんな神狩屋を止めるため葉耶に関する童話・白雪姫を調べるも…。最終章,最後の泡禍が生み出した悪夢は最後を飾るに相応しい凄惨さだった。本当は葉耶の従妹であった夢見子の真の断章,泡禍を童話の形にエスカレートさせ、自身のトラウマである断章を暴走させる力により、リカ,笑美,入谷と騎士達を死に導き、死を望む不死の神狩屋は自分の死のために蒼衣を追い詰めるため、罪のない蒼衣の父や母を毒林檎にし、さらには無関係の→2014/07/05

コリ

51
〈神の悪夢〉にて綴られるメルヘン、これにて終幕。ハッピーエンドともバッドエンドとも取れる、強いて言うならトゥルーエンドと言った所か。虚しいが爽やかな、不思議な満足感があった。このシリーズらしい終わり方だな、と。最後の蒼衣と雪乃のやり取りは不思議と心が温まった。この2人の関係は友人でも恋人でもない、「パートナー」という表現が一番しっくりくる。これで終わりだと思うと本当に寂しい。次はどんなシリーズになるのか非常に楽しみ。2012/05/13

くろり - しろくろりちよ

50
※ネタバレ注意※掘り返される蒼衣の<悪夢>の記憶。加速する神狩屋狂気。夢見子の本当の<断章>の効果と神狩屋によって作られた「毒リンゴ」が蒼衣の日常を徹底的に破壊する。それでも神狩屋は配役は与えられない。これはすでに完成した童話の悪夢。蒼衣が神狩屋に決断を下したのは、誰のためだったのか。かつて雪乃を泡禍という非日常から引き戻そうとしていた蒼衣がそちらに取り込まれる。雪乃とともに生きること。それはハッピーエンドとはいえない。この最後まで割り切れなさ、大好きでなりません。『断章のグリム』本は終われど悪夢は続く。2012/11/28

藤月はな(灯れ松明の火)

43
閉じた世界で完結していた『白雪姫』。だけど、自主的に役に組み込まれようとした鹿狩さんがした事は、白雪姫のお妃になりたかった、ただの魔女の凶行にしか過ぎなかった。三木目先生、入谷さん・・・。そして何度、「自分」が死んでも死にたくなかったリカさんの最期と「普通」では取り溢される事を知っていた大隅さんの慟哭が辛かった。守っていた大人たちは去り、子供は現実と対峙する。それでも世界から拒まれ、でも放ってもおいてくれない事を憎み、傷ついてきた葉耶が風乃によって安堵する所やラストの約束には救いを感じました。2021/10/02

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