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内容説明
小笠原諸島の中に浮かぶ、ある小さな島。東京から南に1000kmも離れたその島には、さまざまな過去をもつ男女七人が、数年前から暮らしていた。ある日、彼らは、日本からの独立を宣言する。国名は多生島共和国。そして驚いたことに、総理大臣は十七歳の少年だという。独立宣言を記した国書を受け取った日本政府は不快感を示し、マスコミは飛びつき、日本中が動揺した―。これは、日本での生活に馴染めない人間たちが、自由を求め夢想した、壮大な物語。
著者等紹介
峰月皓[ホウズキコウ]
1981年生まれ。メディアワークス文庫『君に続く線路』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
63
ワクワクしながら読み進めた一冊でした。様々な事情を抱えて集まった7人が離島で日本からの独立を宣言をして国を作っていく話ですが、自分もそうであったが子供の頃に秘密基地とかを作って、自分たちのルールを作っていた頃にタイムスリップしたような気持ちになりましたね。ある意味、現実逃避の何ものでもないのでしょうが、でもそんな空間が人生には必要だったりするのかな・・・と思いながら読みました。自国で生きづらくなった人を受け入れる国でも、曲解した目的を持った人を拒むことができないが故に、崩壊してしまう結末は悲しいものです。2016/04/07
dr2006
36
小笠原諸島の無人島に住み着き、日本からの独立を目指し奔走する7人の物語。ぶっ飛びのプロットだがこれを陸続きの本土でやれば、極左右の政治的思想やカルト思想と揶揄されて直接弾圧を受けるだろう。千キロの物理的な距離がもたらす安心によって成り立つ物語だ。独立国の定款は「居場所のない人に居場所を作る」だ。落ち零れた人の集まりみたいだが、利便的に何でも手に入り代わりが何人もいる都会に対し、最低限の生活の維持と充実のみの中で自分の居場所を発見し、自分がやるしかない役割を見つけられることは有意義だ。ラノベだよねこれ?笑2017/12/02
メロリン@5月は再読強化キャンペーン!
20
作者の作品は「天使のどーなつ」に続いて2作目ですが、相変わらず読みやすかったです。ただ「天使のどーなつ」と比べてしまうと、物足りなさは感じます。この作者は1つの会社単位での規模の作品向きな気がします。建国してからの話となっていますが、同じ建国物だと「羽月莉音の帝国」の方が壮大で、リアリティがあるように思います。あちらは建国までの金の動きがメインとなっていていろいろ感心しました。ただ書きたいことは良く伝わって来るので、もうちょっと規模の小さな話を読んでみたいです。2014/02/14
はる
19
他人事には思えないストーリー。もし日本のどこかの島が独立したいって言ったらこんな本の中のようにはいかないんだろうな~。でも、綺麗事だけど、夢のあるストーリーでした。2016/09/16
まこ
13
小笠原諸島に浮かぶ小さな島は、日本に対して「多生島共和国」として独立することを宣言。助け合える国を理念とする共和国総理としてカメラの前に立ったのは17才の少年、そして国民は7人…根っこの部分は僕達の7日間戦争に近いかも。あっちは大人や学校に対する反旗。こっちは国に対する反旗。人との繋がりが薄くなり、孤独死が当たり前のようになり、自己責任という言葉が暴走しているような今の日本。確かに生きにくい。全体的には少し軽いような印象もあるけど、登場人物の一つ一つの言葉には考えさせられるものがあった2014/11/16




