脳内異界美術誌―幻想と真相のはざま

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  • サイズ A5判/ページ数 320p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784048851039
  • NDC分類 704
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「恐怖」はどこからやってくるのか?

「恐怖」はどこからやってくるのか?

不思議なもの、怖いもの、深淵なもの、不気味なもの。
「目に見えない存在」を可視化し、異質の世界を表現したアーティストたちの実像とは?

本能が生み出した脅威の美術に、知の巨人・荒俣宏が迫る!

「この本の主題を俗っぽく表現するならば、お化けを見るとぞっとする本能的な実感の生まれてくる由来を探ることにある。(中略)人がお化けと聞いてぞぞっとしたり、怖い映画を見て目を塞いだりする生理的反応は、いったい何に由来するのか。いわば、子ども心のリアリティー感覚にかかわる謎を、成人の目から再考する試みといえるだろうか。」 ――本文より


アウトサイダー・アート、幻想美術、幻想言語、抽象画――。
茂木健一郎、京極夏彦、春日武彦、大西暢夫など、さまざまなジャンルの
スペシャリストとの対話を通じ、そのイメージの源泉を探る。



 目 次


序 見えないもののリアリティーをさがして

導入――「異様な美術」の発見史を見わたす

1 驚愕の松沢病院コレクション 「熟成された幻想」のゆくえ
   with 春日武彦 京極夏彦

2 「アウトサイダー・アート」の現場を巡る
   with 大西暢夫

3 近世が産んだ「異なる画像」の歴史と運命
   with 大内郁

4 「脳」と「お化け」の謎に迫る!
   with 茂木健一郎

5 「供養絵額」から見る遠野の深層
   with 前川さおり

6 「他人に見せる夢」としての幻想アート
   with 山田維史

7 橘小夢 幻想を視覚化する技量
   with 加藤宏明

内容説明

「恐怖」はどこからやってくるのか。不思議なもの、怖いもの、深淵なもの、不気味なもの。「目に見えない存在」を可視化し、異質の世界を表現したアーティストたちの実像とは?本能が生み出した脅威の美術に知の巨人・荒俣宏が迫る!

目次

序 見えないもののリアリティーをさがして
導入 「異様な美術」の発見史を見わたす
1 驚愕の松沢病院コレクション「熟成された幻想」のゆくえ―with春日武彦 京極夏彦
2 「アウトサイダー・アート」の現場を巡る―with大西暢夫
3 近世が産んだ「異なる画像」の歴史と運命―with大内郁
4 「脳」と「お化け」の謎に迫る!―with茂木健一郎
5 「供養絵額」から見る遠野の深層―with前川さおり
6 「他人に見せる夢」としての幻想アート―with山田維史
7 橘小夢幻想を視覚化する技量―with加藤宏明

著者等紹介

荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。作家、博物学者。85年に刊行開始された小説「帝都物語」シリーズは500万部を超える大ベストセラーとなり、一大ブームを巻き起こす。87年『帝都物語』で第8回日本SF大賞を受賞。89年『世界大博物図鑑 第2巻 魚類』でサントリー学芸賞を受賞。膨大な知識を駆使して、幅広い文筆活動を展開。現在は、テレビのコメンテーターとしても活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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HANA

67
アール・ブリュットや遠野の供養絵額、橘小夢といったあまり表の美術史に出てこないものをキーワードに狂気や土俗、脳といったものと美術の関連を読み解く対談集。商業主義の奴隷となった現代美術に比べてアール・ブリュットは大好きなのであるが、そういう自分からすれば冒頭の松沢病院コレクションと春日武彦、京極夏彦は圧巻。『ドグラ・マグラ』思い出させるなあ。後はアール・ブリュット以外の供養絵額とか橘小夢が面白く読めた。後者は未発表の作品が多く見れて満足だし、前者は土俗の迫力を再確認。こういう脳内の迷宮彷徨うような本は好き。2022/07/25

くさてる

26
さまざま「異様な美術」の紹介と解説の一冊。さすが荒俣宏、という感じで圧倒された。こういうのを博覧強記というのだと思う。とりあげられている橘小夢、供養絵額、アール・ブリュット、どれもが魅力的なのだけど、個人的には「幻想アート」の実践として紹介された山田維史氏の絵がとても好きなので、対談が読めて嬉しかった。偶然展覧会に来たサラリーマンに「あなたはなぜ、わたしの悩んでる夢を絵にして暴き立てるんだ」と抗議されたというエピソードが素晴らしい。面白かったです。2022/09/07

petitlyz

17
【図書館で借りた本】博覧強記 荒俣氏の対談や写真のほかカラーページもあり、充実した内容。アウトサイダーアートに関する大西暢夫さんとの対談が個人的に興味深かった。グランマ・モーゼスの展示をずっと以前に見たことがあるのだけど、それと近い印象の絵が紹介されていた。惹きつけられる。売ろうとせず見せようともせず営みのように生み出される作品群には感銘を受ける。できれば手元に置いて何度も見てみたい。2021/04/30

らむだ

4
季刊ムック『怪』初出の文章を加筆・修正し、序と導入を加えたものを一冊にまとめたもの。口絵に示されている猫と戯れる童女の供養絵額には、奉納した遺族の思いや願いが感じられ胸が詰まる。松沢病院コレクション・アウトサイダーアート・供養絵額・橘小夢。2023/09/20

ルナティック

3
絵画といっても多彩で多様。そして何を規準とするのか。いや規準など必要ないのだろう。目当ては供養絵額だったが、満足できた。東北といえば遠野でも、思い込みだった遠野の新たな事実が分かり、スゲェ!と感嘆。また橘小夢のことは初めて知った。うん、幻想であり美しい。口絵のカラーに感謝。そして松沢病院コレクションには圧倒される。見せる人もいない。作者は亡くなったら無用のものとなる品々。でもそれこそが芸術なのか?2020/02/27

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