出版社内容情報
昭和俳句研究の第一人者による、前衛俳句から昭和の終焉までを論じた大作
内容説明
昭和の俳句は鮮烈だった。俳句史研究の第一人者が膨大な文献資料から分析・考察した、俳句表現に現れた新風の記録。昭和俳句史、決定版!
目次
1 前衛俳句の勃興―昭和三十年代前半
2 入れ子型の俳壇の断層―昭和三十年代後半
3 昭和世代の台頭―昭和四十年代前半
4 二項対立の時代、俳壇・総合誌・読み・物と言葉―昭和四十年代後半
5 眼高手低の時代、戦後世代の台頭―昭和五十年代前半
6 俳句の大衆化と戦後世代の新風―昭和五十年代後半~昭和の終焉
著者等紹介
川名大[カワナハジメ]
1939年千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部を経て慶應義塾大学・東京大学両大学院修士課程にて近代俳句を専攻。三好行雄、高柳重信に師事。東京都立三田高校、聖光学院中学・高校(横浜市)教諭、東京都公文書館史料編纂係などを歴任。2022年、第22回現代俳句大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
11
昭和の俳句史を句作から批評まで網羅した本。昭和の前衛俳句が中心だが、やがて現代俳句協会の分裂で、現代俳句協会の『俳句研究』と俳人協会の『角川 俳句』に分裂するのだがその時代はジャーナリズムの台頭で大衆化されてゆく。それと共に前衛俳句は尻つぼみになっていく。『俳句研究』は高柳重信というオーソリティの元で専門的になっていくがそれは俳句の分化を促していったのだと思う。今は二極化の時代だが実質角川俳句の勢力なのだというのは、この本が角川から出ているというのも頷ける。昭和俳句史の流れがよくわかる本だ。2024/04/23
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