出版社内容情報
予測不能の睦月都ワールドへの招待。
短歌という一ジャンルを超えた、人類の希求に対峙しようとする創作者の最初の書物をことほぎたい――水原紫苑
猫も雨も風も崖も一体化していくような迫力がある。睦月さんの歌には、様々な境界を越えようとする意識が通底している――東直子
意味として言語化・論理化される手前の印象や雰囲気、手触りといったものをコントロールするのが本当に巧みだ――染野太朗
【収録作品より】
春の二階のダンスホールに集ひきて風をもてあますレズビアンたち
木のスプーン銀のスプーンぬぐひをへ四月の午後は裸足でねむる
猫といふさすらふ湖(うみ)がけさはわが枕辺に来て沿ひてひろがる
口紅といふ制度さびれて三度目の春の一千枚目のマスク
いつか小さなアパートになつて冬の日の窓辺にあなたの椅子を置きたい
目次
1章(Dance with the invisibles;Sleeping Rhino ほか)
2章(けはひなく降る春の雨;十七月の娘たち ほか)
3章(記憶の広場;ゆふやみと強盗 ほか)
4章(緑の体重計;人魚の川 ほか)
5章(マルセイユ靴店;ひとりと猫一匹の食事 ほか)
6章(もくれんと地下駅;彼女に貸す香水 ほか)
著者等紹介
睦月都[ムツキミヤコ]
1991年生まれ。「かばん」所属。2016年より相田奈緒、坂中真魚両氏と「神保町歌会」を、2019年より温、吉田恭大両氏と詩歌の一箱書店&ウェブ連動企画「うたとポルスカ」を運営。2017年、「十七月の娘たち」で第63回角川短歌賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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