出版社内容情報
「角川全国短歌大賞」(2019年)大賞を受賞した大学生で、歌歴は15年。5歳から15歳まで10年間に詠んだ264首をまとめ、人間として劇的に変化した10年間の成長を短歌を通してたどる画期的歌集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
25
小林理央さんの5歳から15歳までの句集。学年が進むに連れ、その成長の軌跡でもある。それ以上に、いくつかの学年で、それまでと句の内容・表現が、ガラッと変わるのが、驚くほどだ。いずれにしろ、五感で感じたことが、素直に表現されているのが素晴らしい。2020/01/20
おはぎ
7
ひらがなばかりの句から始まり、学校で習った漢字が徐々に使われるようになり、漢字仮名交じりのふつうのつづりになり、そしてまたひらがなが少し増える。そんなところからも1人の子どもとして、歌人としての成長の軌跡がうかがえる。何かの成長を残した歌は多いけれど、自分自身の成長が刻まれた歌というのは珍しい。みずみずしい感受性が自分にも戻ってきそうだと、思わず勘違いしそうになった。2022/06/17
ひょるひょる
7
良かった。保育園年長からってすごいな。2020/02/08
マコ
5
小学1年生頃までは「ね」が多く、小学4年生頃から抽象的な内容が増えていったのが興味深かった。また、子供にとって自然科学がいかに身近か、がよくわかる。最初の頃は虫の登場が多いがしだいに天候や環境に感情を託していっているように感じた。 本棚の中に詰まっているものは知識と言葉と別の世界だ/成長と共に重さが変わってく「約束」のことば変わらないまま/今までを過ごした時間は今どこにしまってあるの たぶん心に2025/04/11
oraisony
5
中3で宮中歌会始に入選した著者の5歳から15歳までの歌集。以下、好きな歌。マンションの ちゅうしゃじょうで かまきりが ひかれていたよ もう冬なのに/地面からポツンとひとつ芽を出したフキノトウの子小さな緑/ザーザーと歩くわたしの足ぬらす春の匂いの雨ふってきた/さみしくて泣きそうなとき勉強で気をまぎらわす20÷3/真っ青な海を両手ですくったら透明な水指から逃げた/カレンダーの端の分数 ひと月の日にちが溢れて二人ひと組/キノコ雲一瞬にしてふくらんだ小さなシイタケ空を見上げた/ つづく2020/07/01
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