内容説明
写文は最高の文章修行。夏目漱石から村上春樹まで―手で味わい尽くしたい、最高峰の名文34篇厳選。かつてない、強く美しい文章指南書。
目次
第1章 感性をひらく(部屋に沈んでいた女の匂いが―宮本輝「二十歳の火影」;指先には鬱陶しい触感が残って―三島由紀夫「橋づくし」 ほか)
第2章 脈打つリズム(束の間に青春はすぎ去るであろう―井伏鱒二「休憩時間」;死に日和―川上弘美「溺レる」 ほか)
第3章 にじみでる笑い(首だけが、ひとりでに高く登って行く―内田百〓「掻痒記」;「賢妻」と呼んだとしたら―高田保「愚妻」 ほか)
第4章 心のひだを描く(冴え返る心の底へ―芥川龍之介「或日の大石内蔵助」;女の高い声が、澄み切った秋の空に―安岡章太郎「朝の散歩」 ほか)
第5章 イメージゆたかに(頭が澄んだ水になって―川端康成「伊豆の踊子」;湖面をうつろう水紋のように―村上春樹「ノルウェイの森」 ほか)
著者等紹介
中村明[ナカムラアキラ]
1935年、山形県鶴岡市に生まれる。国立国語研究所室長・成蹊大学教授を経て現在、早稲田大学教授。専攻は文体論・表現論。『角川新国語辞典』『集英社国語辞典』の編集委員
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