真説 光クラブ事件―東大生はなぜヤミ金融屋になったのか

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  • サイズ B6判/ページ数 308p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048837781
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

三島由紀夫と同じ11月25日にわずか27歳で自殺した東大法学部学生・山崎晃嗣。彼はなぜ死ななければならなかったか?昭和史の第一人者が、隠された真実を解き明かした書き下ろしノンフィクション巨編。

目次

第1章 能面が崩壊したとき
第2章 伏せられた怒りの軌跡
第3章 「聖」と「俗」への復讐
第4章 ヤミ金融帝王の錯覚
第5章 ある時代が生んだ幻影

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

22
(06.2.22発表転載)ライブドア騒動を見ていると1949年に世を騒がせ自殺した闇金融「光クラブ」主宰の東大生・山崎晃嗣とホリエモンを比較したくなる。山崎については「現役東大生」「怪業務で世間を翻弄」「ふざけた遺書で青酸カリ自殺」くらいしか知らず、本書のことは今回の騒動前から気になっていた。装丁が真っ黒だし…ちなみに私の中では山崎は「東大在学中のワルな頭脳犯」てだけで、勝手に超・超美青年として脳内完結。絵でいうなら魔夜峰央か森園みるく、まつげシバシバ系!  …てな妄想はともかく、エモン騒動で自殺者が出た2016/04/15

リュウジ

8
★3 読後感じたのは、このテーマを追うには保阪氏は遅すぎたのではないかということ。あまりに昔過ぎて事件の真相にかかわる人の証言も証拠もほとんどない。それでも保阪氏は少ない資料・証言から深く洞察を加えていく。ただ最後まで腑に落ちなかったのは、山崎氏が何と闘ったのかということ。確かに彼の行動は無軌道かつ刹那&虚無である点ではアプレゲール的ではあるが、追い込まれても逃げだすこともせず、合理的であることをかたくなに守り死んだ。彼が生まれたのは時代の必然という風には思えなかった。三島の「青の時代」も読むべきかなぁ。2022/04/04

GaGa

7
法の網の目でいえば今現在で起こっている犯罪と近いものははある。ともあれ、この事件をモチーフとして出来上がった名作が高木彬光の「白昼の死角」。これを読んだならばこれも読むべし。面白さ二乗。2010/05/23

さえきかずひこ

5
著者の意図とは別に先の戦争と敗戦後の日本がより身近に感じられるようになる一冊。木更津という地方都市に育った名士の子、山崎晃嗣が悪の道に堕ちるというような陳腐な話にしていない冷静な筆致が印象的。山崎の世界に対するロマンの強さが反転して足を掬われ、死出の旅路を大真面目に歩んだ点が現代から見ればもはや倫理的な行い(露悪的な結末の付け方だが)とさえ言えよう。2010/01/11

のん

3
戦後間も無い頃、現役東大法学部生山﨑晃嗣が経営する光クラブという貸金業会社が破綻し、山崎は自死する。学徒動員により経験した軍隊の理不尽さ、地元の名士である親への複雑な感情、様々な視点から山崎晃嗣という人物を分析している。 また、東大法学部で三島由紀夫と交流があったのではないかという説は説得力があった。この事件をモデルにした三島由紀夫『青の時代』を読んでみたくなった。2024/03/10

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