内容説明
遠くをみつめるまなざしの彼方にあるものは自分自身かもしれない―。楠に大理石の目を備えた人物像―今、注目を集める作者の制作背景、家族に対する想い、旅先での思い出などをまとめた初の画文集。
目次
思考を越えて
まずデッサンを一枚仕上げてから
木の色に助けられて
道具と私
自分自身は宇宙と同じくらい遠い
毎日午後四時、風に乗ってアジアへ行く
明るくなった部屋
立って歩くブタ
似ていること
エディンバラの靴の人形〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さく
3
彫刻家船越圭の文章をまとめたもの。初出は展覧会図録や雑誌など。ラジオの気象通報に美を感じ、革靴の人形に涙する芸術家。人形はエディンバラのおもちゃ博物館にある手作り人形で、ぼろぼろの革靴の底に釘を打ち付け布を巻いて作られたものだ。人形を買うことなど叶わない暮らしの子どもが作ったものとのこと。その少女が人形をうれしそうに世話をする様子まで想像し「人間とはこんなこともしている生き物です」と誰かに伝えたくなるような人形だ、と言う。かっこいい。他の著作の中にも登場するらしいので、そちらも読みたい。2015/11/14
kei
0
☆☆☆☆☆2012/09/02
k.rie
0
結局一番遠い所にあるものは自分自身であり、したがって遠い所を見る目はイコール自己を見つめている目だと思う。 2019/01/16
あっぺ
0
彫刻家の言葉。途切れ途切れの言葉が確かな熱量を持って、私たちに、舟越桂という芸術家の、心のつぶやきを見せてくれる。2018/07/19