内容説明
人は、安らぎと喜びを求めて愛の甘美さに身をまかせようとする。しかし愛はまた、常に苦しみを伴うものである。疑惑、嫉妬、別れの予感、それらの思いにさいなまれる時、人は、愛してしまったことを一瞬後悔するかもしれない。だが、愛し、苦しむことによって、人はそれまで知らなかった自分を発見し、人生の豊かさを実感するのだ。文学者として、また仏教者として、行動と思索を積み重ねてきた著者が、さまざまな愛のかたちをみつめつつ綴った待望のエッセイ。
目次
無償の愛
別れの覚悟
柳川の白秋
その終りから
ゆるされる愛
青葉燦爛
僧伽誕生
愛人
美登利の初店説への疑問
されど結婚
愛の曲り角
忘れられた愛
渇愛―釈尊の女性観