出版社内容情報
〈いつかいつか羞(やさ)しいあなたを立たせたい老衰という眩しい水際〉
〈皮膚いちまい隔てて触れるあなたには濁流がただとどろいていた〉
〈目を嵌めてください他人(ひと)のまなざしを受けて川面のようにかがやく〉
人形への眼差しを通じて自らの内面をえぐった「嵌めてください」で、第66回角川短歌賞を受賞(選考委員=松平盟子、坂井修一、俵万智、藪内亮輔)。
欠落、喪失、不在のものへの小さな祈りは、ますます澄み、世界を照らす。希望の余韻にひたる全305首。
【目次】
1
嵌めてください
小石
テープカッター
睫毛
燃えている腕
退路
あお毛の馬
火の用心
刺繍
誤読
螺子
ひかりを撒いて
フジエダ珈琲
2
転調
黒と黄
梅の枝
パン焼き窯
光なのだから
茗荷
正倉院展
近鉄百貨店
包装紙
歌壇史
翻案



