内容説明
「おまえ、気づいてないだろうけど、命を狙われてるんだぜ」突然あらわれた男に、真野萌奈美は言い放たれた。「世界の大事件と、おまえを中心に学校で起きることが、同調している」男の信じられない言葉は、実際に起こった事件で証明される。不確定要素として命を狙われる萌奈美と、彼女を守ろうとする男。なぜ、同調が起こるのか?二人は大がかりなトリックに挑む。そして、世界は…?ユーモアいっぱいの学園ミステリー&ファンタジー。はやみねかおるが贈る、作家生活二十周年記念書き下ろし小説。
著者等紹介
はやみねかおる[ハヤミネカオル]
三重県伊勢市生まれ。教師となり、子どもを夢中にさせる本を探すうちに、自ら書き始めた「怪盗道化師」が第30回講談社児童文学新人賞に入選し、デビュー。ジュブナイル・エンターテイメント・ミステリーのベストセラー作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
150
例によってカスヤナガト氏の描く表紙にホイホイされました(笑)『本格ファンタジー、ユーモアのあるドキドキの冒険物語、おもしろい人物設定、とびぬけた事件』はやみねかおるさんの打ち合わせノートに記されたコンセプトは、確かにオールクリアですかね~。女子高生の部屋の天井裏に潜む性格に難ありのシスコン野郎にうっかりトキメキそうになったのも、「さすらいの食いしん坊」との異名をもつドジッ娘ヒロインを応援したくなっちゃったのも、人には言いにくかったりはしますがwサクッと楽しめる、ジャンク系スナック菓子のような1冊でした。2013/03/25
へくとぱすかる
131
セカイ系の話において、登場人物に対していかにセカイと関わる能力を付与するのか、けっこう困難な問題だと思いますが、「シンクロ」という概念を使って、見事にクリア。もちろんまともな説明など不可能。わかったようなわからんような、ですが(笑)。夢水清志郎シリーズより、ずっと早く読めるので助かりますね。しかし神田川さんは謎だ。2016/09/16
ひめありす@灯れ松明の火
121
カスヤナガトさんのカラフルファニィな表紙装丁、タイトルの語尾に『?』をつけてしまう脱力系のゆるさ、そしてはやみねさんのとびきりポップでキュートでおちゃめな文体。三つ合わさって無敵の楽しさを醸し出しています。地の文でボケてだだ滑り、かつだだ突っ込みの嵐で読んでいる間はひたすらに楽しい。学生の頃読んでも楽しかっただろうけれど、『笑点』的お約束の楽しさを味わえるのは長年連れ添った今だからこそ。今更にセカイ系と正面切って向き合って自作風を貫く力量。作家生活20年、おめでとうございます。これからもずっと大好きです。2012/03/08
風眠
95
シリーズ物とは知らずに3作目を先に読んでしまったのだけれど、もーいきなりファンになってしまった私。そんな訳で、前作も読まねば!って感じで遡って読んでいる。まだシリーズになるかどうか分からなかったためか、全体的におとなしい印象、登場人物それぞれのキャラもまだ確立されていない感じで。けれど、シンクロというSF的要素があったり、ミステリー要素があったりする中で、モナミのドジっ娘ぶりや、○男のツンデレなど、今後につながる面白要素も盛りだくさん。永遠さんて、この頃はちょっと悪役っぽかったのねー。キーワードはニトロ。2015/03/15
よっち
85
天然なドジっ娘女子高生モナミが突然学校での身の回りの出来事と世界の大事件がシンクロしていると告げられ、ボディーガードとして守るシスコンの丸男とともに事態の収拾に乗り出す物語。とにかく主人公のモナミが突き抜けていて、深刻な状況のはずなのにあまり深刻に感じられないハイテンションな展開。黒幕の永遠さんがカッコ良かったのに友人のルナがオチに関わっていたりでちょっと脱力しました(苦笑)結局何となく分からないままのことも多く、登場しなかった丸男の妹も気になりましたが、何よりあの姉といつも一緒の弟はちょっと不憫ですねw2014/11/16