内容説明
北館奈々は、合コンで知り合った男、津嶋栄と三か月のスピード婚を果たした。都内一等地のマンション高層階に住み、他にもいくつか物件を相続したという津嶋。条件も人柄も申し分ない彼と、北海道の湖畔で幻想的な結婚式を挙げ、ハネムーンに出かけた。だが、奈々が羽田空港着陸寸前の帰国便の飛行機の中で目を覚ましたとき、隣席から津嶋の姿は消えていた―。失踪、誘拐、狂言、あるいは殺人―?受け入れがたい現実を前に、夫の真の姿を追いつづける新妻の奈々。周到にはりめぐらされた罠と数々の「嘘」。驚愕の展開に息を呑む、横溝賞作家、渾身の密室ミステリ。
著者等紹介
大村友貴美[オオムラユキミ]
1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒業。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きょん
24
ハネムーン帰りの飛行機から姿を消した夫津嶋は一体どこへ行ってしまったのか?彼の正体は?次々暴かれる嘘に翻弄される奈々。どんな真実が明かされるかと楽しみだったけれど、後半からの種明かしは意外性もなく想像の範疇で普通。ただ事件の背景に介護と貧困というどうにもならない理由があるのが切ない。2018/03/31
ぶんこ
24
アラン・ドロンがチラチラ浮かんできて、「太陽がいっぱい」を下敷きにしてるのかなと。 奈々さんの言動にも突っ込みたい所が沢山あって、挙式のDVDにしろ、警察がちょっと調べればすぐ分かる事がウヤムヤに流れるのも、編集者がチェックいれないのかな? 2014/03/05
まど
22
大村さん初読み。岩手県出身の方なので、今回はトリックだけではなく事件の背景や被害者・加害者の気持ちを通して、苦しい環境にある人々に対して伝えたいメッセージがあったのではないかと思いました。2011/12/02
あっちゃん
20
前半はハネムーン中に夫が消えてしまった女性の目線から!警察への不信や夫(入籍前だけど)の過去を調べる為に青森へ、など先が気になりグイグイ読ませる(笑)しかし、後半になり一人称が変わると、想像していた通りの内容で、ちょっと冗長な感じも!最後は特にどんでん返しも無く、そのまま終了!事件に至った事情は他人事では無いのが、ちょっと怖い( ̄▽ ̄)2020/08/04
まさみ
20
ハネムーンから帰国した便から夫が消えた。行方を探す奈々は、次々と暴かれていく夫の嘘と数々の謎を追う。。。堪んないよなぁ、結婚相手が嘘だらけなんて。でも、人を羨んでも自分の道を人生を生きなきゃいけないよね。初読みの作家さん、よかった。2018/03/20