出版社内容情報
新感覚青春ミステリ、シリーズ最新作
惜しくも普門館出場を逃したハルタとチカは、息つく暇もなく文化祭に突入した。だが、吹奏楽部、アメリカ民謡部、演劇部と次々に問題が持ち上がり……。大好評青春ミステリ“ハルチカ”シリーズ最新作!
内容説明
こんどの舞台は文化祭。アメリカ民謡クラブ、演劇部、そして吹奏楽部…おかしなキャラクターたちがひき起こす難問題とは?青春ミステリ“ハルチカ”シリーズ第4弾。
著者等紹介
初野晴[ハツノセイ]
1973年、静岡県生まれ。法政大学卒業。2002年、『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。ファンタジーとミステリを融合した独特の世界観で注目を浴びる。「退出ゲーム」は、日本推理作家協会賞の短編部門の候補作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
199
「キラキラしてて眩しくて、素敵な寄り道をすることが許された有限の時間」・・・過ぎ去ってしまった愛おしい「時」を語っているから、ハルチカシリーズはこんなにもキラキラして楽しく、同時に切なくもあるのかな。・・・この巻は、彼らが2年生として迎えたワクワク感満載な文化祭が舞台です。個性的な新キャラも続々と登場します。鍵盤ハーモニカ奏者のスナフキン。アメリカ民謡クラブの閣下。決闘一族の末裔な演劇部員に、ジュリエットの秘書トモちゃん。巻末の主要参考文献のラインナップは、そのまんま新キャラの説明文として使えそうですw2012/12/16
ちはや@灯れ松明の火
176
雨上がりに架かる虹や夜空に煌めく花火みたいに、めくるめく時間は光の粒となって消えてしまうけど、決してなくならないものもある。奇人変人の学び舎清水南高校、問題児集団が奏でる交響曲・学園祭。謎の女スナフキンのピアニカによる前奏曲、秀才ハードロッカーのタクシー遁走曲、前バリ部長率いる演劇部プレゼンツ決闘奇想曲、希望を託された虹の秘書の鎮魂歌。いつか終わりが訪れることを知っているから、今だけだけど、今だからこその輝きを響かせて。それは未来へのプレゼント、何年後かの彼らの心の中で宝石のような光を放つ夢見る夜想曲。 2012/06/02
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
145
ハルチカ・シリーズ第4弾は、全国大会めざす展開は完全に脇に置き、まるまる文化祭を舞台にした四つの物語。お祭り騒ぎの雰囲気のなか、風変わりな面々が次々に巻き起こしていく“事件”に否応なしに引き込まれたのだが、本書の魅力はそれだけではない。謎に秘められた人間ドラマも、悩み苦しむばかりではなく、それ以上に未来への希望に満ちた青春時代の輝きを感じさせ、前向きな余韻を残してくれる味わいがある。連作短編としての面白さもあり、遅ればせながら読み始めたシリーズではあるが、もう抜け出せそうにない気分。続巻にも期待が高まる。2013/04/08
ひめありす@灯れ松明の火
128
あの恋を知ったのなら、千年ジュリエットを続けたって構わない。たった一夜の恋物語。死んで甦って出会う甘い絶望。全身全霊をかけるその一時は千年越しの若い少女達も変わらない。乙女の舞台は舞踏会じゃなくて学園祭。駆ける箱馬車はおっちゃん運転のタクシーで翻るのはプリーツのスカート。オーケストラの代わりに未熟なロックにヘビメタ、吹奏楽の三重奏。奇を衒った演し物達。けれど夢見る時間の終わりは自ら突き立てた胸の刃が知っていた。たった一度、最初で最後の物語。涙の後に光る五色の虹を胸にして、ジュリエットは新しい生へと向かう。2012/06/20
しろいるか
124
ハルチカシリーズ第4弾。巻が増すごとに個性的なキャラがどんどん増えていくのが楽しい。日野原、名越だけでも十分なのに、アメ民の甲田さんもなかなか(笑)。清水南高校どんだけの人材を有してるんだ。このシリーズ最大の謎である草壁先生の過去を知る「スナフキン」が登場したが、薄くベールが剥がれてきたかなという程度。ハルチカじゃないけど、まだまだ謎だらけの先生である。ラストの『千年ジュリエット』は始めから違和感を感じていたけど自分の予想とはちょっと違い、なるほどそうきたかという感じ。各章がほんのり繋がる感じもいい。2012/07/06