内容説明
警視庁の公安刑事・片桐梓はコリアンマフィア「朝義侠」の覚醒剤ルート解明を命じられ、新宿で潜入捜査を開始した。だが「朝義侠」のトップである李を目撃した直後、「国際警備」の警備員が何者かに殺害された。きな臭いものを感じた梓は、単身会社に乗りこんだ。一方、新宿署の組織犯罪対策課の刑事・佐久間は、新宿を根城にする組織暴力団「天昇会」に情報を流し恩恵に与っていた。そこへ「国際警備」の相談役の松谷から一本の電話が入った。「国際警備」と「天昇会」、そして「朝義侠」のつながりに気付いた公安女刑事・梓を排除してほしいというのだ。佐久間は梓の妨害に乗り出すが…。「朝義侠」「天昇会」「国際警備」―三者それぞれの思惑に翻弄される、二人の刑事の運命は。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなり、続く『ある愛の詩』『あなたに逢えてよかった』の“純恋小説”3部作が話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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流花
13
本名もそれまでの過去も捨て、現実も偽りだらけの公安捜査官。恋も出来ず命の危険もある職業なんて相当な覚悟がないと就けないな… 実際にそんな仕事に就てる人達がいると思うと感慨深い、またヤクザ達となあなあになり甘い蜜をすいながら寄生虫のような刑事もいると思うと暗澹たる気持ちにもなる。両極端の考えが行き来するお話でした。ちょっと想像するにはグロテスクな箇所もあったけど、なかなか面白かった。2014/01/25
岡 幸治
12
久しぶりに満足できた新堂本。次から次へと悪が出てきます。最初の悪、佐久間刑事がすぐ泥沼に嵌っていき、李の人を人とも思わぬえげつなさ。子悪党に見えた須崎の狡猾な悪。気持ちがいい位悪を見せてもらいました。残りページが少ない所で李があっさり殺され、このタイミングから新しい悪が出てきても物足りないよと思いながら読み続けると意外なエンディングが。私は好きですね。2014/10/14
LIBRA
12
前半からグイグイ読ませる感じで面白かったです。北朝鮮マフィアのかなり残酷なシーンがいっぱいあります。冷酷で残忍な犯人像です。また、誰と誰が裏で繋がっているのかと展開がハラハラしました。しかし、後半あんなに強かったマフィアボスの李が直ぐやられてガッカリでした・・また、主人公の女公安刑事と・・予想がついてしまうありがちなストーリーになってしまいました。佐久間刑事の切羽詰まった心境が良く著されていたと思います。 ちょっと怖い物みたさ気分な時におススメです2013/11/22
うめけろ
12
面白かったです。ほぼ、一気読み。普段は勘の悪い僕にしては珍しく、最初の方で彼がキーになると読んでいて、結果、その通りだったのですが、それも含めて面白かったですね。公安関係の物語に恋愛を持ち出すのはご法度かなという気もしましたが、最後、彼がそうきたかーというのもちょっと意外感があって良かったです。意外なのに安心できた、みたいな。コンジュがその後どうなったかが気になったので、そこも書いて欲しかったんですけどね~。2012/10/03
夜梨@灯れ松明の火
11
女性の公安刑事が潜伏捜査をする話。さらりという訳ではないのですが、あっという間に読み終わりました。某登場人物が某だったのにはちょっと驚きましたが、今思えばさもありなんか? 面白くないわけではありませんが、あまり残らないかもしれません。この作者の作品を1、2冊は読んだはずと思い、検索してみましたが、思い当たる作品がありませんでした…。2012/07/07
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