内容説明
唐軍の侵攻で緊迫する朝鮮半島情勢のなか、大和の軍勢が百済へ出動するが、決戦をまえに突如、大海人皇子が大将軍を罷免される。額田姫王へのいまだ尽きせぬ皇子の想いを利用し、政権内部に陰謀が蠢く。混乱する百済戦線では、火攻めを目論む唐の巨大水軍に、大和の将兵が果敢に挑むが…。白村江の戦いの試練を乗り越え、中大兄皇子と中臣鎌足はいかに日本を守りぬいたのか?朝鮮半島の盟邦を救おうとした古代日本の大義とは。
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長、編集特別委員を歴任。92年、有沢創司の筆名による小説『ソウルに消ゆ』で第五回日本推理サスペンス大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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depo
1
図書館本。三部作読了。天智天皇の崩御後、本書にも出てくる大海人皇子と天智天皇の子の大友皇子との壬申の乱がおこるのだが、鎌足が生きているなら、どのように納めたろうか。2021/07/05
dolce-vita
0
下巻最初のシーン。大和の正規軍1万人が揃いの銀色の甲冑をつけ同型の剣を腰に揃いの盾を手に整列する光景にぐっとくる。中央集権がまさに体現した姿に感動。「唐と新羅の同盟軍に大敗」だけで終わっていた「白村江の戦い」のドラマに大興奮なのでした。おもしろい。2017/02/11
カラヤ3
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白村江の戦いという歴史上の言葉は知っているが、それだけなので、実際の戦いがどのように進展し、大和朝廷軍がどうして負けたのかをしらない。火攻めがあったのかそれとも作家の脚色かわからない。2019/03/21
湖宮
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教科書的語彙の把握で頭の片隅に蓄積埋没していた大化の改新、中大兄皇子、中臣鎌足。本書により当時の時代の息吹と共に新たな魅力をもって、往時の情景が甦る。外交交渉黎明の第一歩としての遣唐使、朝鮮への出兵そして白村江の戦い、その舞台に描かれた人物像が読後にも時空を越えて燦々と輝いています。2018/09/27