明日の雨は。

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  • サイズ B6判/ページ数 298p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048741392
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「明日の雨は、明日にならなければ降らない」―親父の遺した言葉の意味は、今の俺には分からない。森島巧は公立小学校で音楽の臨時教師として働き始めた23歳だ。音楽家の親の影響で音大を卒業するも、流されるように教員の道に進んでしまう。腰掛け気分で働いていた森島だが、学校で起こる予想外のトラブルに巻き込まれていき…。「M」と教員の間で呼ばれる宮永敏美は連日学校にクレームを付けてくる。今年は新人教師・安西久野がターゲットにされたようだ。ある日、宮永と親しい大柴家でぼや騒ぎが起こる。翌日、宮永が学校に怒鳴り込んできて、ぼや騒ぎの犯人は安西だと断定するのだが…。曇りがちな心を晴れやかにする珠玉の青春ミステリー。

著者等紹介

伊岡瞬[イオカシュン]
1960年東京都生まれ。日本大学法学部卒。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞し作家デビュー。2010年、「ミスファイア」が第63回日本推理作家協会賞短編部門の最終候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

104
音大を出て、アルバイトとして小学校の臨時講師を始めた森島が主人公の6話の連作短編集。モンスターペアレンツ、いじめ、学級崩壊、事なかれ主義の教師など、様々な問題に正面から立ち向かっていく森島の姿が清々しい。最後の結末も規定路線か。ただ森島が熱血漢ゆえに、生徒個人に関わりすぎ学外で会ったり、教室前の廊下をウロウロしたりするのはちょっとやり過ぎかな。その適度な距離がまた難しいところなんだろうけど…。でも、こんなまっすぐな先生と出会いたかった。2021/10/31

ma-bo

76
音大を卒業したものの就職につけなかったが、つてで小学校の音楽教科非常勤講師となった23歳の青年が主人公の連作短編集。モンスターペアレントや、虐待、いじめ、学級崩壊等様々な問題を、若さゆえの前向きに解決に向け取り組む姿勢に好感が持てる。若干スタンドプレーが目につく所もあったけどね(^^)。腰かけぐらいのつもりだった主人公が最後に出した結論は?理由は2つあるんだけど、それもまっすぐで、爽やかでいいじゃないか2021/08/27

七色一味

70
読破。不思議なテイストの作品です。雑誌「野生時代」に掲載された「ミスファイア」と「柔らかい甲羅」は、どちらかというとミステリー色の強い作品なのに対し、あとの書き下ろし4作品は先生と生徒、生徒の家庭、学級崩壊やいじめと言った現代の教育現場が抱える問題をテーマにした作品となっていて、どれも読み応えがあります。ちょっとこの現場には飛び込みたくないな、と思えるのに──本人だって、専任免許しか挑戦できないことや年配教員の説教や怪物たちからのいわれなきクレームにさらされることやクソガキどもを張り倒せないことや(続く)2013/02/23

Taka

62
伊岡瞬2作目。音大出の音楽家の卵が教職免許を生かし、アルバイトで始めた小学校の先生として過ごした一年間の物語。明日の雨は明日降る。爽やかな読了感。北海道行きの飛行機、電車の中でスッキリしました。2018/08/27

nyanco

61
学級崩壊、モンスターペアレント、いじめ、教師の質の低下…と今の教育現場の問題がなかなかリアルに面白く描かれていて、そこにいる子供達も生き生きととても魅力的。ドゥカティに乗って登場するフォーストシーンはカッコイイが、巧は、それほど破天荒なタイプでもなくこの小道具の意味は?ショパンのエピソードもカメの話も、ひとつひとつの話は、なかなか面白かったけのに終盤やや失速した感じが残念。せっかくの書き下ろしが加えられた連作短編だったのだが、何となくどれもカラーが似ているせいだろうか。続→2010/11/21

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