おとうとの木

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おとうとの木

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048740784
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

横浜市郊外。第二子誕生を控え、子ども時代に育った実家を取り壊して、その土地に新しくマイホームを建てる計画が進んでいた。猫の額ほど狭い庭には一本のくぬぎの木があり、ふと子ども時代を思い出した彼は、木肌に三つ傷を付けた。見ようによっては顔に見えるその傷が原因だったのか、木は彼に語りかけはじめ、やがて―。デビュー作『化身』で評価された圧倒的な筆力で、世界の不穏な揺らぎを紡ぎだす。日本ホラー小説大賞大賞受賞第一作。

著者等紹介

宮ノ川顕[ミヤノガワケン]
1962年、福島県白河市生まれ。神奈川県で育つ。日本大学卒業後、会社員を経て、茨城県石岡市で自転車競技や釣り用のウェアを作る自営業に従事するかたわら、小説の執筆を続ける。2009年『化身』(受賞時タイトルは「ヤゴ」)で第16回日本ホラー小説大賞大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

25
横浜郊外の古い実家の庭にある1本のクヌギの木。息子にクワガタを捕まえさせてやろうと木の幹に三つの傷をつけたことで始まる不思議な事象。記憶にもなかった弟がクヌギの木に宿る、そして話しかけてくる。。ホラーというよりは悲しい家族の話といった感がある。遺された妻子がちょっと気の毒で、あまり読後はよくない。2012/06/02

たぬ

23
☆4 日本ホラー小説大賞受賞の前作『化身』には3点しか付けられなかったのでそれより高ければいいなと思いながら読んだ宮ノ川氏2冊目。結論から言うとかなり面白かったです。良く練られた構成だったし主人公のためらいや困惑もリアリティがあったと思う。被害者かと思いきや実は加害者だったというのはまあ想定内だったけどラストは予想もつかなかったなあ。弟の行動は悪意がまったくないだけに怖かった。2020/11/23

佳容

17
「何に恐怖を感じるか?」は人それぞれだと思うが、私はとにかく得体の知れないものが蠢いている感じは苦手。この作者は、身の内に何かがうごめいている描写が本当に見事だと思う。嫌悪感に近いその感覚を、私は好むわけではないのだが。人は一度怖れにとり付かれると、空気の流れやかすかな音を全部拾って、自己の恐怖を増幅させるという。そのホラースイッチのようなものがどこで発動されたのか、ただそれを探ってみたくなる。2010/10/15

16
わたしは悲しさよりも怖さを感じたので、カテゴリーはホラーで。幼くして亡くなった弟の魂が宿る木。そして奥さんが妊娠→出産で、だいたいの予測はついたが、ラストは救われない。2013/07/12

nyanco

13
受賞後初の書き下ろしの長編…とくれば期待は高まるが「化身」で感じたような凄味が感じられず、序盤から中盤までは展開が緩やかでややもっさり感も…。弟との会話の中で過去が思いだされる。癇癪持ちの父、父から受けた多くの仕打ち、何故、私はあんなにも父に疎まれていたのか…。そして弟の死因は…新居での幸せな暮らし、だが長男が次男へした行動を見て、彼は思い出してしまった…。この辺りから一挙に物語が進みます。続→(ネタバレあり)2010/08/23

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