内容説明
「北海道行くべ、北海道!」―危ない筋の女に手を出して東京にいられなくなった住所不定無職のレンチは、失業中のタカシと絶賛引き籠り中のキノブーを無理矢理連れ出し、一路東北道をひた走っていた。しかも「旅には潤いが必要だ」とレンチが出会い系で引っかけた美女と仙台で待ち合わせたはずが、そこにいたのはどう見ても中学生な少女・月子。旅に同行させないと警察に通報すると脅された3人は、しぶしぶ月子を仲間に加えることに…。ヘタレでニートな男たち+家出少女の不思議な旅が始まった。
著者等紹介
三羽省吾[ミツバショウゴ]
1968年岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で第8回小説新潮長篇新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なゆ
63
ヘタレでニートな男3人と、家出少女の北海道への旅。マンガ読んでるようなハチャメチャな展開に、なんだかこれは映像で観てみたくなった。とんでも野郎なヒモニートのレンチは問題外として、一番まともっぽいタカシの存在感が薄すぎて、生粋の引きこもりニートのキノブーがマトモに思えてくるから不思議。なんか訳ありな月子も強引に加わるも、目的があるようなないようなで、もやもや。ゴジさんや村越の登場で、新しい風が吹き込まれそれぞれの心に変化が。要所要所でiPodのシャッフルモードから流れる曲が気になる。これからの月子に幸あれ!2018/04/25
朱音
19
「ニート」の単語から受ける印象とはちょっと違うのだが、仕事もお金も無い(ついでに彼女もナイ)若者の青春譚。ひきこもったりグダグダしそうなところをひっかきまわすレンチが破天荒で、ストーリーもなんだかうまくいきすぎて現実味は無いけれどそれもまた青春、という雰囲気があってよいと思う。あてもないけど旅に出るというのは若者のみの特権、なんだろうな。自分がそういうことをできなかった分ちょっとうらやましい一面もある。全然関係ないけど映画「幸福の黄色いハンカチ」を思い出した。共通点は男女が車乗ってる、ってとこだけですが。2010/12/12
Nak34
18
最後までざらついた感じで、嫌悪感が続く。途中で描きたかった内容が変わったような気がする。あり得ないながらに現実味を帯びてくればいいのだけど、それもなく、粋な受け答えでもない。本当の事を知ることで、素直に生きていける。イレギュラーの作者とは思えない。残念。2010/09/08
み
12
面白かったぁ♪レンチ君、無茶しすぎだわ。爽快な感じ(^O^)仲間にはなれないけどね。2014/12/12
CAFECAFE
9
メインストリームから外れまくりな彼等だが、こんな目茶苦茶な旅も悪くない。東京からひたすら北上し続け、遂に北海道に上陸って、何だか台風みたいだけど、ホントに台風みたいな3人と1人だった。でもドタバタ劇の陰には、人が変わることの難しさや、1人で生きて行けない寂しさも見え隠れ。後先考えないニートなレンチ、タカシ、キノブー。でもロードムービー風な旅には、お気に入りの音は欠かせないって所は、この3人に共感♪2010/08/01