内容説明
確かなのは、僕らは今を生きるしかないということだ。社会人三年目―中学の同級生との十年ぶりの再会。それが、僕らのせつない恋の始まりだった…。
著者等紹介
中村航[ナカムラコウ]
1969年岐阜県生まれ。芝浦工業大学卒。2002年『リレキショ』で文藝賞を受賞しデビュー。04年『ぐるぐるまわるすべり台』で第26回野間文芸新人賞を受賞。05年に上梓した『100回泣くこと』は各紙誌で絶賛されベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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masa@レビューお休み中
159
僕らはどこまで行ってしまったのだろうか。あのとき僕らが始めたことは、どこにつながっているというのだろうか。中学という箱の中でともに過ごした級友たち。年を経るに従って、記憶も思い出も曖昧になっていく。何を話していたかも、何を見ていたかも、何を共有していたかも、時が経つにつれてぼやけてしまう。でも、僕はまた君に出会うことができた。中学を卒業して10年の月日が経ち、お互いが社会人になった今となって。それも、有楽町のマリオンの前で待ち合わせだ。ドキドキ胸が鳴る。僕らは、再会してどんな話をするのだろうか…。2014/04/13
ひめありす@灯れ松明の火
105
始まった瞬間に『はじまった!』ってわかることって本当はとても少ないんだ。僕らはいつだって大抵何かが終わってから、『あのときに始まっていたんだ』って気が付くんだ。ニューヨークで起きた嵐、25歳のある夜に東京で始まった二人の恋。ビデオを巻き戻すみたいにしてったら些細な始まりがそこにあった。北京の蝶が一つ羽ばたいて、同級生のパーカーのフードに鹿のお辞儀をちょこんと投げ入れて。それがあのとき始まったことのすべて。あなたとここで恋が出来たらよかったのに、東京。好きな人のパーカーに大吉のおみくじを投げ込みたい、東京。2014/02/15
モルク
101
中学の時の男女仲良し四人組。卒業後疎遠になり、岡田、石井のふたりが10年ぶりに再会。実はあの時好きだった…そしてここから恋が始まるはずだった。しかし…。実に言葉選びがうまい。テンポもよくスーッと心に入ってくる。中学の教室、仲間、先生全てが懐かしい。そして「好きな人のパーカーのフードには何か入れたくなる」なんて、私の頃にはフード付きの服なんてなかった(もしかしたら私が持っていなかっただけかもしれないが)のでなんか羨ましい。2024/07/02
takaC
89
石井さんは可愛いらしいなあ。岡田くんとうまくいくといいね。2012/12/02
美紀ちゃん
88
すごい!!中学校の修学旅行の班だったメンバー。再会したら興奮するよね。それが想いを寄せてる同士なら尚更テンション上がる。楽しい話だった。ワクワクして恋人というより仲間同士の集まりみたいな楽しさ。2012/09/08