エンディングノート

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048739764
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

神尾良子、職業・脚本家。デビュー作は映画になり話題となるも、その後は鳴かず飛ばずで、日々もがいていた。ある日、良子のもとへ大学時代の後輩・水嶋から、文章講座の講師をしてほしいと依頼がくる。それは「エンディングノート」という死ぬ前に自分の気持ちを身内に正確に伝えたいという人々が集まる講座だった。バイト感覚で軽く引き受けてしまった良子は自らの家族との不和もあって、この講座に不快な気分を催す。だが、生前満足に会話も交わさなかった父親が急逝し、しかも彼がエンディングノートを遺していたことを知り、良子は家族や自分の過去ともう一度向きあっていこうとするが…。215頁に込められた息をもつかせぬ展開。かつてない感動の波があなたの心に押し寄せる。

著者等紹介

桂美人[カツラビジン]
1973年福井県生まれ。専修大学卒。出版社勤務、塾講師などを経て、現在食品会社勤務。2007年、「ロスト・チャイルド」で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビュー。スピーディな展開と骨太の構成、そして、個性あるキャラクター造形で注目を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くみくみ

46
大学時代付き合った人からの依頼で、エンディングノートを扱う仕事を携わることになり、父と娘の無関心を貫いた関係からの、父の突然死によるエンディングノート。大切な人が亡くなってから、人はその人の思いに気づく。その人の思いだけでなく、自分の本当の心を知る。いつまでも両親は元気ではないからこそ、大切にしていかなくてはならない。また自分だけの家族を持ってこそ人は生きていける心に響きます。特別な存在、触れると心地よくなる気持ちが先にあって形ができる。収まるところで収まるのを待つしかない。一番嫌いな自分しか見せれない2018/09/15

ぶんこ

44
我が家には未記入のままのエンディングノートが3冊もあります。いざとなると書くのが難しく、今ひとつ理解していなかったと読後に気付きました。遺された人へのメッセージ、まさに遺言となるもの。心が通いあえないと幼い頃から傷ついていた父が急死し、遺されたエンディングノートを読んで父の気持ちを知る。水嶋も、愛されなかった父の死後、父の許しの言葉に出会う。良子の頑なな心が少しずつほぐされていく。洋介が、「荒れたオババの手を素敵だと心から思った」・・・なんて素敵な孫なのだ。良子が「オバステ」を書いた強い思いに涙。2016/12/22

さよちゃん

25
図書館本。そして初作家さんで、最近よく耳にする「エンディングノート」。自分はまだ大丈夫。なんて思っていても人生が終わる時なんて誰にも分からない。だから、私は「エンディングノート」に興味があります。しかし読み始めていくにつれ主人公の神尾良子の事が好きになれなかった。でも後半からは少しずつ良子自身が背負っていたものが分かりだしてからは良子のことが理解出来るようになってきた。彼の手帳も、良子にとって「エンディングノート」だったのかも知れないね。書く人も残された者も心の整理が出来るのかも知れない2019/04/06

hanagon44

23
”大切な人がなくなってから,人はその人の思いに気づく。その人の思いだけでなく,自分の本当の心を知るのだ”という言葉にハッとさせられた。日々思い出すたび,そのときの相手の気持ちや意図を考え気づくことがあり,また相手への自分の本心に気づく。後悔もあるけれど,感謝の気持ちがジワジワ湧いてきて本当にありがとうと心から思う。この作品の主人公は愛した人と,すれ違っていた父のエンディングノートの2冊によって,ゆっくり再生していく。”大切な人のエンディングを引き継いで始まる人もいる”エンディングノートはきっと宝物だろう。2015/09/03

ゆみねこ

20
私くらいの年代には気になる「エンディングノート」、どんなストーリーかと手にしてみた。主人公の良子はシナリオライター。父母との付き合いも恋人との関係も、親友との付き合いさえもとんがって突っ張るような良子に今一つ共感できず。自分が「エンディングノート」を書くときは誰にあてて書くのかなと思って読了。2012/06/23

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