内容説明
ひややかな恐怖が胸に迫る―青春ミステリの気鋭が初めて封印を破った現代の怪談!おまじないや占い、だれもが知っていた「花子さん」。夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。やくそくをやぶったひとは、だぁれ?その向こう側は、決して覗いてはいけない―。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で、第31回メフィスト賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優愛
310
年の数だけ並べた赤いろうそくのその奥、鏡に映る午前0時の未来の私。そう、あの一瞬を見なければ。ただそれだけの間違いを犯したあの瞬間から私の歯車は狂い始めた――赤黒い血と見えない手、溢れる死体と校内に響き渡る笑い声にあなたはページを捲り続けることが出来ますか。私には、出来なかった。逃げ道さえも与えないような隙のないホラーは私にとって明るい時間帯限定の一冊となりました。未来の私は幸せか不幸せか、つい鏡の中の"私"に聞いてみたくなる読後。だけど私は知らないままでいい。私は私、あなたはあなた。ねぇ、そうでしょう。2015/04/20
ヒロ@いつも心に太陽を!
261
辻村さんの書く怪談てどんなだろうと、以前から読んでみたかった本。正直に言えば『ブランコをこぐ足』はよく意味がわからなかったし(私の理解力のなさが原因だが)『おとうさん、したいがあるよ』もあまりにも現実離れした家族の反応に(それを狂気と呼ぶのか)読後感が悪い云々の前に「これが怪談?」と感じてしまった。でも『踊り場の花子』『ふちなしのかがみ』は面白く読めたし『八月の天変地異』もよかった。それよりここに書かれた小学生たちの様子が「あーあったあった」と思わされる描写ばかりで、そんなこと覚えてる辻村さんすごいなと。2012/08/19
扉のこちら側
260
初読。じわじわと圧迫感を覚えるような、息苦しい怖さだった。表題作よりは「おとうさん、したいがあるよ」の印象が強い。「八月の天変地異」は乙一の「ハジメ」のような、架空のお友達設定を、うまく使っていた。2009/07/01
takaC
247
最初の『踊り場の花子』と、最後の『八月の天変地異』が面白かった。2011/11/26
エンブレムT
238
「---してはいけません。さもなくば、あなたは・・・」第一話の『踊り場の花子』を読んで、都市伝説に絡んだ末のホラーな突き放されっぷりにビビリました。コックリさんで約束を破った人は。合わせ鏡の占いで見えた結果を取り消すには。次々に登場する禁忌達。読んでて、楽しいんだか怖いんだか懐かしいんだか自分でもわからない状態に。でも、最終話『八月の天変地異』の着地が思いがけないほどの優しさに満ちていたので、最終的な読後感は悪くなかったです。チカラ技であってもラストにホッと息をつかせてくれる辻村作品は、やっぱり好きです。2011/04/08