内容説明
12月のある土曜日、森野夜はひとり殺人現場へと向かった。記念写真を撮るために―書き下ろし小説100枚×新津保建秀の撮り下ろし写真で鮮やかに浮かびあがる、黒乙女の輪郭。
著者等紹介
乙一[オツイチ]
作家。1978年福岡県生まれ。1996年『夏と花火と私の死体』で第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。2003年『GOTHリストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞
新津保建秀[シンツボケンシュウ]
写真家。1968年東京生まれ。写真とフィールドレコーディングを主体とした制作活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とら
82
大好きな作品、「GOTH」の番外編。ああ、いつまでも読んでいたい。決して良い気分になる話でも無いのだけれど、何だか癖になるというか、もう小説から醸し出されている雰囲気が好きなんだなあ、これはたぶん。久しぶりに「GOTH」の世界に浸かることができて、少しだったけれど、もう故郷に帰ってきた感じがしたw写真でも「GOTH」の世界を表現していて、やはり記号では表せないものがあるのだなあと。そう、哲学的になってて最初驚きましたよ!「GOTH」、続編出ないかなあ。こういう形でも良いから、とにかく読みたいです^^2012/05/01
吉田あや
69
七年前、少女が殺され遺棄されていた場所へ聖地巡礼のように嬉々として出掛けた森野。少女が横たわっていた場所で写真を撮ろうと思っていた所に、同じ様に森にやってきた一人の男性が。森深くの殺人現場に見知らぬ男性が現れた事に怯えることもなく無邪気に撮って欲しいとお願いした相手こそ、この未解決連続殺人事件の犯人だった。人物写真を撮ることを生業とする殺人者は最初こそ戸惑いを覚えるが、日々仕事で撮る被写体の様に愛想笑いや自己演出、表情の中に見える嘘や欺瞞が彼女にはない事に驚き次第に惹かれていく。(⇒)2021/08/23
yumimiy
38
乙一8冊目、もう殆どヤケクソ気味、GOTHを徹底的に読んでやるー!と。あれ?話は番外編と同じ内容、殆どが女優の写真集となっている。乙一氏曰く、いずれこれがプレミアになるというが、本心なのか疑わしい。もうGOTHの続編は書かないとあとがきにあったがこちらは納得した。こういう流れは良くないなぁと思う。GOTHで儲けたいあらゆる業界がイヤらしく思える。今まで読んだ本の中で「夏と花火と私の死体」と「ZOO1」が好きだ。本書にはガッカリしたが、ロザリア・ロンバルドの存在を知った。次は「暗黒童話」を読んでみよう。2021/10/10
takaC
38
本としては200ページじゃなくて79ページなんだ。確かに後の120ページに読む部分はないけどね。2010/11/09
くろり - しろくろりちよ
26
GOHTが6年振りの新作。たった一人で殺人現場に記念撮影に行って、案の上殺人犯と出くわし何気なく車に乗ってしまうのがとてもモリノらしい。本編を読み込んでないとなかなか気づけない世界観もまた。名前の出てこない少年、ミリノヨルが寄せる信頼。モリノは、あの場所で永遠の美しさをたたえたロザリア・ロンバルトになるのが正しかったのかも知れない…私も、主人公のきみたちと同じ想いをモリノに寄せる。写真は高梨臨さんがモデル。でも…私のモリノはこうじゃない、かも。髪の毛とか、漆黒のイメージだから。写真は微妙です。2011/11/04
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