出版社内容情報
人が消えてゆく・・・何の痕跡も残さずに。
冴子は、18年前に行方不明になった父への想いを抱えながら、全世界で相次ぐ失踪事件の謎を追う。この謎を解けば、父に会えるかもしれない。調べていくうちに、恐るべき事態が進行しつつあることに気づくが・・・。
内容説明
人が消えていく―それは長野、新潟、カリフォルニアで相次ぎ起こった。誘拐、家出、神隠し、いやそれとも…調査をはじめたフリーライターの冴子は未曾有の世界的変異を嗅ぎとる。彼女の父もまた18年前に忽然と消息を断っていた―。「リング」シリーズ以来10年ぶりに解かれた封印。超野心的ホラー小説最終形。
著者等紹介
鈴木光司[スズキコウジ]
1957年浜松生まれ、慶應義塾大学仏文科卒。90年第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞となった『楽園』でデビュー。95年発表の『らせん』で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』のシリーズは大きなブレイクを果たし、90年代を代表するエンタテインメント小説となった。ハリウッドでもナオミ・ワッツ主演“The Ring”などが映画化されるが、以後ホラー長編小説の筆を断ち、『シーズ ザ デイ』『神々のプロムナード』など家族愛をテーマに据えた大作を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PSV
25
これは、流水大説か?風呂敷の広げ方が半端ないぞ。「リング」のイメージで読んでいると、思わぬ形で足もとすくわれます。面白いか面白くないかでいえば、十分面白いです。 ★★★☆☆2012/05/13
ぐうぐう
24
鈴木光司の不幸は、『リング』シリーズが歪んだ形で世間に認知されてしまったことだ。『リング』は心霊的なホラーと思わせながら、実はそうではないことが続編『らせん』によって明かされるが、世間としては映画版の影響もあって、『リング』と言えば貞子という霊と直結されてしまっている(事実、霊的要素を求める観客(読者)の期待に応えるべく、映画『リング2』を製作するにあたって、映画版『らせん』はなかったものにされてしまった)。(つづく)2016/04/26
東京湾
12
「人類はこれまでに一度も崩れたことのない橋を渡っているに過ぎない」人間の失踪、天体の消滅、円周率の異常。徐々に綻び出す世界から、宇宙の根幹の不安定さ、その恐怖と未知、探求を描く大作。上巻だけで既に圧倒されてしまう。著者が丹念に調べ上げた上で書きあげられていることがわかる内容だ。ミステリー、ホラー、SFと様々な要素が織り込まれた上で、読者を不安の渦へと誘う。揺らぐ世界と次々に浮かび上がる謎に、この先いったい何が待ち受けているのか。下巻へ2017/07/05
エスパー
10
昔、父が失踪した経験を持つ主人公がルポライターとして、不可解な失踪事件を追っているうちに新たな事実が判明していく。オカルトなのか科学的なのかよくわからない話の進み方で引き込まれていきました。1Q84を彷彿とさせるような独特の世界観。気持ち悪い描写はさすが。下巻に期待。2015/10/12
yukari
10
原因不明の集団失踪をテーマに扱ったSFホラー。ホラー的要素は「リング」などよりも少ないが、物理や宇宙科学などの興味深い話がふんだんに出てきて面白い。物語として下巻でどう展開していくのか楽しみだ。2013/02/18
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