内容説明
昭和19年、満州の帝王・甘粕正彦を四歳の少女が魅了した。「彼女を女優にしてください」。のちに画家・中原淳一に見いだされ、少女は「浅丘ルリ子」としてデビューした。時は昭和30年代、銀幕にひしめく石原裕次郎、小林旭、美空ひばり、燦めくようなスターたち。少女から女性へ、めくるめく恋の日々が始まった。太陽照り映え、花咲きほこる銀幕の裏側、スターたちの舞台は終わらない!自分を生きた女優の半生、一大ロマン小説。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県山梨市出身。日本大学藝術学部文芸学科を卒業し、コピーライターとして活躍。82年にエッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を発表してベストセラーとなり、作家としてデビュー。「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞受賞。『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞を受賞、『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞受賞。現在、直木賞選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いたろう
44
日経新聞の「私の履歴書」に掲載された浅丘ルリ子の自伝がとても面白かったので、もっと読みたいと思って手に取った小説・浅丘ルリ子伝。裕次郎、ひばり、小林旭、石坂浩二等々、本人や家族、関係者がまだ存命中だったりするのに、「私の履歴書」ではぼやかされていた不倫の恋までを含む赤裸々な恋愛模様が描かれ、まるでその人生自体が映画のよう。ただ、「私の履歴書」ではもっと詳しく書かれていた寅さんとリリーの話が、さらっとしか書かれていなかったのは残念。2015/08/02
井戸端アンジェリか
21
ルリ子様御本人はもとより、登場する全てのスター様をどんなに頑張って想像しても現在のお姿しかイメージが浮かびません。そしてルリ子様の事よりも周りのエピソードが盛沢山でした。初のチョメチョメが赤いトラクターのアノ人だったとは。 私の中の浅丘ルリ子と言えば、石坂浩二が若い女に乗り換えオババになったら捨てられた可哀そうな人、石坂浩二なんなのよ!!でしたが、御本人はケロリとしていて可哀そうどころかあっぱれでした。2016/11/05
ゆみねこ
21
戦後の映画史を読むような感じだった。天性の美貌に恵まれた女優浅丘ルリ子の一代記。石原裕次郎と小林旭という2大スターとの関わりや美空ひばりとの交流が興味深かった。裕次郎、私はちっとも魅力を感じなかったし、小林旭も好きじゃなかったけどね。。2012/04/24
そのぼん
14
昭和に生きた女優のお話しでした。古きよき時代の映画界の雰囲気が垣間見えて、面白かったです。 サクッと読めました。2012/01/20
ジュースの素
13
芸能界にほとんど興味もなく知らない私でも 知っている人ばかり登場したのには驚いた。満州からバンコク⇒日本と父親の勤務で移動暮らし。小林旭、裕次郎、ひばり、そうそうたるスターとの芸能界内情が描かれる。石坂浩二がルリ子に結婚を申し込むクダリは 今の石坂さんに照らし合わせると可笑しくて何だか笑える。彼はそんなにもインテリだったのか。でもやはり長続きはしなかった。今は「やすらぎの郷」で何と共演。まさかこんな廻り合わせになるとはね~。2017/04/10