内容説明
最盛期に山陰・山陽十一カ国を支配した出雲の戦国大名・尼子氏は、急成長する毛利元就の圧迫を受け、月山富田城が落城して滅んだ。逃れた遺臣たちは、山中鹿之助を中心に主家再興を誓う。天下布武の野望をいだく織田信長に接近を図った鹿之助は、羽柴秀吉の支援を得ることに成功する。ついに秀吉を総大将とする毛利討伐の先鋒として西播磨の上月城に入城、遠征軍の最前線を担うが…。それから百六十余年、江戸時代中期。京都・大徳寺塔頭、玉林院に法要を営み、山中鹿之助の末裔であることを公にした一門がいた―。
著者等紹介
南原幹雄[ナンバラミキオ]
1938年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。73年、『女絵地獄』で第二十一回小説現代新人賞、81年、『闇と影の百年戦争』で第二回吉川英治文学新人賞、97年、『銭五の海』で第十七回日本文芸大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山男777
3
数多いる著名な戦国武将の一人。志半ばで横死で主家の再興が叶わなかった。が、なぜ文部省的に取り上げられているかといえば。主家を重んじる忠孝の思想なのか。なんといっても言葉として「七難八苦を与えたまえ」は、あまりにも有名。才覚のある実子が商人として成功。それが鴻池とは漫画チック。2014/09/09
としえ
3
他の本で見た名前の武将の本だったので手にとってみたものの、読むのに時間がかかってしまった。歴史的背景を説明する部分が多くて、何度か挫折しそうになったが、読み終えてみて、最後まで読むことが出来てよかったと思えた本だった。鹿之助が、尼子再興のために尽力する様も格好良いが、戦国の世に生きた武将が、自分の生き方を息子に押し付けることなく「自分らしく生きろ」と言える潔さも格好良かった。「武士は捨てても、武士の精神(こころ)は捨てるな。」このセリフが好き。2012/01/01
piro piro31
1
主家の再興を目的とした武将の話。主家が危うい状況でも筋をとおし目的がぶれていない。2014/10/22
ゆみゆみ
1
鹿之助が殺された時に、一族もみな処刑されたという話もあるので、鴻池財閥の件は半信半疑ではあったけれども、息子が生き残っていても不思議はあるまい。苦戦ばかりで、いま一歩 運のない尼子軍の中にいて更に「七難八苦を与えたまえ」とは…この祈り方はどうなの?(^^;2013/11/26
GaGa
1
苦労人の代名詞でもある、山中鹿之助と、その息子新六の意外な運命に感服。2010/05/01
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