内容説明
携帯もメールもなかったあの頃、僕たちの恋は強く激しく深かった。それでも気づくことができなかった。彼女が心の底で、哀しく美しい歌をうたい続けていることを―。同じ職場で結婚秒読みの僕と由香の前に現れた、アルバイトの由布子。ラスト1ページまで突き抜ける哀しみのラブストーリー、大崎“恋愛”小説の最高峰。
著者等紹介
大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年、札幌市生まれ。2000年、ノンフィクション作品『聖の青春』でデビュー。同作は第13回新潮学芸賞を受賞し、ベストセラーとなる。01年、『将棋の子』で第23回講談社ノンフィクション賞を受賞。02年、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で第23回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
40
初読み作家さんでしたが、次を読もうとは思えませんでした。 いい人と自分自身が信じているだけに、救いようのないダメ男の篠原さん。 2人の女性を鬱にした罪は大きい。 早い段階で由布子さんが転職すればいいし、5回も駐車違反するくらいなら一緒の住めばいいでしょう。 色々突っ込みどころ満載で、楽しめませんでした。 2015/03/23
ライアン
9
久しぶりに再読。元彼女が自殺し、新しい彼女がうつになるという救いようのない話でこうなる前にどうにかできなかったのか、という話はさておき。ラストは何ともせつなくなってくる2023/03/13
橋川桂
9
「ユーラシアの双子」が面白かったから同じ作者の他作品にも手を出してみたわけだけど、合う合わないでいうと正直少し合わなかった。かなり生々しい三角関係もの。ラノベなんかでどっちつかずなまま、ある種ご都合主義的に幸せな雰囲気が保たれて続く世界になじんんでると、かなりきつい。2018/10/22
ミズキ
9
男のいいかげんさが招いた悲劇だと思う。心変わりは仕方の無いことだとしても、きちんと別れてから次へ行けよと・・・ 読みながらイライラしてしまった。2010/02/02
魂の叫び
5
2007年8月に刊行されています。これも久しぶりに読み返し。色んな感想があると思いますが、私はこういう小説にも弱いんです… 登場する女性2人と男性の長所と短所がわかり、なるほど〜そういう人もいるよな〜と。 重いかもしれませんが最後に1人の女性の深い思いやりかわかりませんが、私にはウルッ(T_T)ときました… 読み返していて好きなフレーズが出てきました。それは「アルマジェミア」と「摘蕾」です。 好き嫌いが分かれると思いますが興味がある人は是非!!2015/01/05