内容説明
高句麗侵略に失敗した煬帝の圧政に対し内乱が拡大する隋。対等な国交の実現をめざす高向玄理と南淵請安も、理想に燃えて革命運動に身を投じる。いっぽう大和朝廷では、高句麗・百済との同盟に活路を求める聖徳太子と、新羅と組んで権力維持をねらう蘇我馬子の対立が顕在化する。帰国した小野妹子は、専横を極める馬子を牽制しようと、必死に太子を支えるが…。
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を経て、編集特別委員。92年、有沢創司の筆名による小説『ソウルに消ゆ』で第五回日本推理サスペンス大賞を受賞。ほかに『ガイアの季節』『三たびの銃声』『天皇陵伝説』などがある。ノンフィクションの手法で「日本書紀」の世界を再現した『古代からの伝言』(全四巻、文庫版全七巻)は大きな反響を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
89
遣隋使留学生達からみた隋から唐への変化は興味深かった。反対に大和の人々に対して蘇我氏とか、太子とか、妙にイライラした作品だった2019/01/30
しゅ
4
隋が滅び、唐が興る話が大半を占めた。隋と唐の区別が付かなかった(どちらが先かも忘れていた)ので、時代の流れとして理解できた。朝鮮半島と大和の密な関連も興味を持てた。 聖徳太子の活躍を期待したが、描写がほとんどなく、あっけなく毒殺されてしまう。 蘇我氏隆盛の史実を変える訳に行かないので、小野妹子の奮闘も無駄に終わってしまう。 かすかな望みは高向玄理を始めとする留学生5人が未来の改革に向けて希望を捨てないこと。 後に続くこの時代の変革は、やはり楽しみ。2018/10/25
もか
2
隋から唐への争いの渦中の留学生達から、蘇我が猛威を振るう大和へ。すごいすごいと言われる聖徳太子の凄さが分からないまま亡くなってしまい、蘇我に押されっぱなしで不完全燃焼。大和に戻った留学生達の活躍に期待(L)2024/12/24
カンジパパ
0
途中、隋、唐の話もはさむので本当に大和が遠かった。厩戸皇子は途中まで直接描写されないのでなるほどなと思ってたら途中からあっさり描かれ出してやや拍子抜け。でもこの時代のお話を読みたかったのでまずまず。2013/08/23
うびうび
0
漫画の「日出処の天使」くらいしか、この時代の知識のない自分だが、存外楽しく読めたのは何故だろう??2013/04/30