内容説明
改革を推進する聖徳太子の期待を背負い、遣隋使に加わった留学生・高向玄理と南淵請安は、隋都で大使・小野妹子から思いがけない任務を命じられる。大臣・蘇我馬子の強い意向で随行していた通事(通訳)・鞍作福利が、隋帝の国書を持って失踪したのだ。高句麗侵略の準備に騒然とする隋で、福利の行方を追うことになった二人が見たのは、帝国の疲弊した現実だった…。
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を経て、編集特別委員。92年、有沢創司の筆名による小説『ソウルに消ゆ』で第五回日本推理サスペンス大賞を受賞。ほかに『ガイアの季節』『三たびの銃声』『天皇陵伝説』などがある。ノンフィクションの手法で「日本書紀」の世界を再現した『古代からの伝言』(全四巻、文庫版全七巻)は大きな反響を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
87
隋という大国は、民衆の犠牲の上に成り立っていたことはわかった。2019/01/27
しゅ
3
平安時代よりも前に日本を支え、守る人たちがいて、本書のように活躍していたとしたら、と思うとワクワクする。 中学の日本史で、数行で終わってしまった聖徳太子、推古天皇、小野妹子、蘇我馬子、、、。彼らが人格を持って蘇る。隋、高句麗、新羅との交流も面白い。後半、隋滅亡への過程が主になるが、どうなるのか?結果はわかっているが期待して下巻へ。2018/10/21
もか
2
飛鳥時代だとずいぶん昔のようだけど、隋だとそこまででもないような気がするのが不思議。大和の外交相手としての隋は、隋メインの作品とは違ってえげつない。多くの国民の犠牲の上にある国とのお付き合いと蘇我の陰謀にハラハラする(L)2024/12/20
代田 亘博
0
隋、朝鮮三国との国際関係を基軸に聖徳太子の時代を描いた小説。小説としてもおもしろいが、それ以上に当時の外交が緊張状況にあったことを改めて教えられた。2011/10/30
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